みすず書房

鶴見良行

つるみ・よしゆき

1926年、アメリカ合州国カリフォルニア州ロスアンゼルス生まれ。外交官の父の仕事にともない、少年時代、ワシントン、ポートランド、ハルピンなどで在外生活経験を重ねる。水戸高校を経て東京大学法学部を卒業。55年より財団法人・国際文化会館に勤務(〜86年)、その傍ら「思想の科学」誌他への執筆活動を始める。65年「ベトナムに平和を!市民連合」(ベ平連)発足に関わり、前後して頻繁なアジア行、研究を深める。73年「アジア太平洋資料センター」(PARC)設立メンバーの一人となり、80年から81年にかけて『アジア人と日本人』『アジアを知るために』『マラッカ物語』の連続刊行を通し、独自なアプローチによるアジア探究者として、旺盛な研究活動を本格化させた。82年『バナナと日本人』、90年『ナマコの眼』などの代表作によって、世に〈稀有な旅人であり自由奔放な知識人〉としての「鶴見良行」スタイルを、鮮烈に刻み付けた。89年より龍谷大学経済学部教授。94年、『ココス島奇譚』執筆中に京都の自宅にて急逝。