みすず書房

アドルノ=クシェネク往復書簡

THEODOR W.ADORNO UND ERNST KRENEK BRIEFWECHSEL

判型 四六判
定価 3,300円 (本体:3,000円)
ISBN 978-4-622-00253-6
Cコード C0073
発行日 1988年9月8日
備考 現在品切
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アドルノ=クシェネク往復書簡

アドルノとクシェネクの往復書簡は1929年から1964年の期間にわたり、ほとんど完全な形で残された。これらは〈新音楽〉の歴史的ドキュメントとして魅力的である。シェーンベルクにつづく次の世代、ストランヴィンスキーやバルトークにつづく世代、そのラジカルな作曲家世代のヒンデミットとならぶクシェネク。フランクフルト学派の著名な哲学者で〈新音楽〉の理論家かつ作曲家(アルバン・ベルクの弟子でもあった)アドルノ。クシェネクはアドルノの哲学的社会的分析に影響され成長した唯一の作曲家であろう。彼らは雑誌「アンブルフ」および「23」の共同編集者だった。この場所は新音楽について論争と成熟が用意されたところであった。二人のアメリカ亡命後の後期の書簡は、亡命インテリゲンチャの人間的記録としてみごとなものの一つである。
クシェネクはアドルノについて、「わが生涯の決定的な期間にわたって道連れとなり、警告してくれたり、刺激してくれた人物」とのべ、その活気あふれる批評、その放射線を浴びると、じぶんなりによしと解釈して確実視していたような視点も、みずから疑問にせざるを得なくなるアドルノの洞察力、言語化の独自性にはいつも感嘆した、といっている。