みすず書房

夜と霧 電子書籍あり

ドイツ強制収容所の体験記録

EIN PSYCHOLOG ERLEBT DAS KONZENTRATIONSLAGER

判型 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm
頁数 216頁
定価 1,980円 (本体:1,800円)
ISBN 978-4-622-00601-5
Cコード C0011
発行日 1985年1月22日
電子書籍配信開始日 2014年10月 1日
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夜と霧

本書は、みずからユダヤ人としてアウシュヴィッツに囚われ、奇蹟的に生還した著者の「強制収容所における一心理学者の体験」(原題)である。
「この本は冷静な心理学者の眼でみられた、限界状況における人間の姿の記録である。そしてそこには、人間の精神の高さと人間の善意への限りない信仰があふれている。だがまたそれは、まだ生々しい現代史の断面であり、政治や戦争の病誌である。そしてこの病誌はまた別な形で繰り返されないと誰がいえよう。」
(「訳者あとがき」より)

初版刊行と同時にベストセラーになり、約40年を経たいまもなお、つねに多くの新しい読者をえている、ホロコーストの記録として必読の書である。「この手記は独自の性格を持っています。読むだけでも寒気のするような悲惨な事実をつづりながら、不思議な明るさを持ち、読後感はむしろさわやかなのです」(中村光夫氏評)。

目次

出版者の序
解説

1 プロローグ
2 アウシュヴィッツ到着
3 死の蔭の谷にて
4 非情の世界に抗して
5 発疹チブスの中へ
6 運命と死のたわむれ
7 苦悩の冠
8 絶望との闘い
9 深き淵より

訳者あとがき
写真・図版

「解説」と「写真・図版」について

「解説」と「写真・図版」は1956年の『夜と霧』霜山徳爾訳初版の当時、日本の読者のために、ナチス・ドイツの強制収容所の組織的集団虐殺について一般的で客観的な予備知識が得られるよう、日本語版に独自に付されたものです。
「解説」は著者フランクルの本文に先立って置かれ、二段組み60頁余におよぶものです。「本文はどこまでも一個人の体験から記述されたものであるため、これをさらに全体的に補うために、第二次世界大戦後イギリス占領軍の戦犯裁判法廷の法律顧問であったラッセル卿の記述によって強制収容所の全貌を示すこととしよう。(Lord Russel of Liverpool: The Scourge of the Swastika, London 1954.)」と書かれ、ついで強制収容所の組織はすでにドイツ国内で平和時から完成されドイツ国民の上に実施されてテストされてきていたこと、戦争中いかに占領地区の住民を恐れさせる手段として用いられ、数百万人を虐殺したか、そしていくつかの収容所の状態と生活とそこでの拷問はいかなるものだったかが、アウシュヴィッツ、ベルゼン、ブッヒェンワルト、ダッハウ、ノイエンガム、ラヴェンスブリュックに関し、詳細に述べられています。
「写真・図版」は45点の資料および地図1点を収めます。

フランクル財団の設立、フランクル賞の創設

著者ヴィクトール・フランクルの没後、フランクル財団が設立され、フランクル賞が創設されました。
(フランクル財団http://logotherapy.univie.ac.at/)
(2006年の大賞には、心療内科医の永田勝太郎氏(浜松医大付属病院)が選ばれ、さきごろ2008年3月にウィーンで記念講演がなされたことが新聞等で報じられています。永田氏は30代で仕事に思い詰めたときにふと、学生時代に読んだ『夜と霧』が頭に浮かび、手紙を書くと返事がきて、招かれたウィーンへとんでいったのだそうです。それから亡くなるまでの十数年、休みがとれるたび会いにいき薫陶を受けた永田氏は、専門が細分化され臓器や細胞さらにDNAを診るようになっていく現代の医療・医学の傾向に抗し、全人的医療を提唱されています。

書評情報

柳田邦男(ノンフィクション作家)
読売新聞2009年2月8日(日)
信濃毎日新聞
2011年8月20日
日本経済新聞
2012年7月21日
毎日新聞
2012年8月4日(土)
小川洋子(作家)
文藝春秋2012年11月号
平尾隆弘(文芸春秋前社長)
朝日新聞「思い出す本 忘れない本」2014年7月13日
今日マチ子(漫画家)
朝日新聞「ニュースの本棚」2015年8月9日(日)
鷲田清一
朝日新聞「折々のことば」2015年10月21日
鮫島有美子(声楽家)
朝日新聞「学生のためのブックガイド」2015年11月2日(月・夕)
津野田興一(東京都立駒場高校世界史教諭)
日経ビジネスアソシエ(ムック)2015年12月
毛利衛(日本科学未来館館長)
日本経済新聞「リーダーの本棚」2016年1月3日(日)
石井ゆかり
FIGARO japon2016年2月号
山﨑洋史(学生部長・学生支援センター長)
昭和女子大学図書館報2016年4月
瀧井朝世
2017年2月

関連リンク

トピックス「『夜と霧』から——夏の読書のご案内」

フランクル『夜と霧』は、毎年のように夏休みの読書感想文コンクールの自由図書としても選ばれ、そこから年々すばらしい作品が生みだされています。高校生のかたたちにぜひ読みつぎ、読み広げていただきたいと、2007年来つづけて夏になると、『夜と霧』からの読書案内をご用意しています。