みすず書房

アルトー/デリダ デッサンと肖像

DESSINS ET PORTRAITS

判型 B4変型判 タテ290mm×ヨコ230mm
頁数 276頁
定価 22,000円 (本体:20,000円)
ISBN 978-4-622-01530-7
Cコード C3072
発行日 1992年4月 9日
備考 現在品切
オンラインで購入
アルトー/デリダ デッサンと肖像

作家、俳優、演出家であり、ベルトルト・ブレヒトと並んで現代演劇の最も重要な理論家とされるアントナン・アルトーは、著作と演劇の仕事のために、1924年にはそれまで没頭していたデッサンを放棄した。1944年、画家であったドゥラングラットと出会ったアルトーは、ふたたび精力的にデッサンを開始する。パリにあるギャラリー・ピエールで1947年にひらかれた彼の最初の個展は、ジャコメッティやヴォルス、フォートリエ、デュビュッフェを囲む芸術家サークルの創造力に、地震のような衝撃をあたえた。同じ年、アルトーは、追い求めてやまなかったゴッホについての傑作『ヴァン・ゴッホ 社会が自殺させた者』を、精神病院内でわずか数日で書き上げている。1948年3月4日、イヴリーで直腸癌のため死去。51歳だった。
ここに初めて本の形となったアルトーのデッサン集は、アルトーの芸術的天才と狂気のしるしが、演劇やエクリチュールにまして、より直接的かつ刺戟的なさまで貫かれている。研ぎ澄まされた幻視、魔術的で知覚を超越した身体意識、精神的・肉体的な苦悩のしるしが、ここにある。
本書はただの画集ではない。アルトーの絵画に触発されて書き上げられた300枚におよぶジャック・デリダの文章は、デリダの論文でも最上であるばかりか、アルトーの絵画と鮮やかな照応関係を織り成している。類例をみないオブジェが、ここに誕生した。