みすず書房

クォーク

物質の究極を求めて

QUARKS

判型 四六判
定価 2,420円 (本体:2,200円)
ISBN 978-4-622-01637-3
Cコード C1042
発行日 1985年12月13日
備考 現在品切
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クォーク

分子‐原子‐原子核‐素粒子という物質の階層構造において、素粒子は究極のレベルであると長く考えられてきた。素粒子には陽子、中性子、電子の三種があり、これらの組み合わせから原子が構成されるものと信じられた。しかし現代物理学のめざましい成果は、素粒子のあるものがさらに基本的な要素からなることを明らかにした。1964年にマレー・ゲルマンによって提案された「クォーク」がそれである。

クォークをめぐる探究は、宇宙の創成、物質の起源を解くかぎを与えるものと期待され、世界の物理学者がしのぎを削る中に、著者フリッチもまた、この分野の研究に自ら参画している。
「驚異的な発見に参加する幸運にめぐまれた私たちは、この冒険物語を私たちの中にとどめておくべきではない。友人であり同僚でもあるハラルト・フリッチの『クォーク』は、興奮に満ちた物語を幅広い読者に紹介している」(マレー・ゲルマン)

目次


1 原子内部を見る
2 電気と磁気の統一理論
3 強い相互作用
4 素粒子はいくつある
5 中間子、バリオン、そしてクォーク
6 陽子のX線写真
7 奇妙な新しいクォーク
8 チャーム粒子と新たな力
9 赤、緑、青のクォーク
10 ハドロン理論:QCD
11 カラーの閉じ込め
12 カラー磁気力
13 クォークの微細構造
14 PETRAでの驚き:クォークが“見えた”
15 陽子を打ち壊す
16 いかにグルーオンを“見る”か
17 レプトン、クォークの弱い相互作用
18 電磁反応と弱反応の統一理論
19 素粒子物理学に終りは来るか
20 高エネルギー研究の未来