「みすず書房」ページ内リンク

  1. 「メインメニュー」へ移動
  2. 「みすず書房の本の検索メニュー」へ移動
  3. 「本文」へ移動
  4. 「サイト利用ガイド」へ移動



混沌からの秩序

ORDER OUT OF CHAOS

Man’s new Dialogue wity Nature


『新しい同盟――科学のメタモルフォーゼ』と題するフランス語版によって科学界と思想界に衝撃的な波紋を投じた本書は、その後12ヵ国語に翻訳され、新しい科学革命への端緒を開く記念碑的な著作として国際的に注目を集めている。
『プリンキピア』刊行以来3世紀にわたって西洋を支配してきたニュートン的な自然観は、時間に対して可逆的な法則によって世界が記述できるという確信に基づいている。しかし、古典科学で例外として扱われる不可逆性や乱雑性にこそ、動的なこの世界を理解する鍵があるというのが著者たちの立脚点である。
本書は、古典科学における機械論的な世界像から現代の進化論的な世界像にいたる3世紀間の科学の発展を「人間と自然との対話」という視点から跡づける。さらに、非線形、不安定、ゆらぎなどの概念をキーワードに、宇宙・生命・社会のあらゆる現象に見られる秩序形成過程の具体例を探り、散逸構造や進化の諸理論がはらむ新しい世界観構築への展望を提示する。
プリゴジンは散逸構造理論を確立した業績によって1977年度ノーベル化学賞を受賞した物理化学者、スタンジェールは新進の女性科学史家である。


目次


日本語版へのはしがき
まえがき 科学と変化  アルビン・トフラー
はしがき 人間と自然の新しい対話
序論 科学への挑戦

第 I 部 普遍性の妄想
第一章 理性の勝利
1 新しいモーゼ/2 人間性を喪失した世界/3 ニュートンの総合/4 実験による対話/5 科学の根源にある神話/6 古典科学の限界
第二章 現実の確認
1 ニュートンの法則/2 運動と変化/3 力学の言葉/4 ラプラスの魔物
第三章 二つの文化
1 ディドロと生命論/2 カントの批判的承認/3 自然の哲学?――ヘーゲルとベルグソン/4 過程と実在――ホワイトヘッド/5 「イグノラムス、イグノラビムス」――実証主義者の一派/6 新しい世界

第 II 部 複雑性の科学
第四章 エネルギーと工業時代
1 熱――万有引力の対抗馬/2 エネルギー保存則/3 熱機関と時の矢/4 工学から宇宙論へ/5 エントロピーの誕生/6 ボルツマンの秩序原理/7 カルノーとダーウィン
第五章 熱力学の三段階
1 流束と力/2 線形熱力学/3 平衡から遠く離れて/4 化学的不安定性の閾値を越えて/5 分子生物学との遭遇/6 分岐と対称性の破れ/7 分岐のカスケードとカオスへの転移/8 ユークリッドからアリストテレスへ
第六章 ゆらぎを通しての秩序
1 ゆらぎと化学/2 ゆらぎと相関/3 ゆらぎの増幅/4 構造安定性/5 ロジスチック進化/6 進化的フィードバック/7 複雑性のモデル化/8 開かれた世界

第 III 部 存在から生成へ
第七章 時間の再発見
1 強調点の変化/2 普遍性の終焉 /3 量子力学の興隆/4 ハイゼンベルクの不確定性関係/5 量子系の時間発展/6 非平衡宇宙
第八章 学説の衝突
1 確率と不可逆性/2 ボルツマンの突破口/3 ボルツマンの解釈を問う/4 力学と熱力学――二つの別の世界/5 ボルツマンと時の矢
第九章 不可逆性――エントロピー障壁
1 エントロピーと時の矢/2 対称性を破る過程としての不可逆性/3 古典的概念の限界/4 力学の刷新/5 乱雑性から不可逆性へ/6 エントロピー障壁/7 相関の力学/8 選択原理としてのエントロピー/9 活性ある物質

結論 地上から天上へ――自然の魅力の再来
1 開かれた科学/2 時間と時間たち/3 エントロピー障壁/4 進化のパラダイム/5 役者と見物人/6 荒れ狂う自然の中のつむじ風/7 トートロジーを越えて/8 時間の創造の道/9 人間の条件/10 自然の復権

訳者あとがき
原注
索引


著訳者略歴

イリヤ・プリゴジン
Ilya Prigogine

1917年モスクワに生まれる。ブリュッセル自由大学卒業。ブリュッセル自由大学物理化学科教授、ソルヴェー国際物理化学研究所長、テキサス大学統計力学・熱力学研究センター所長を歴任。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
イザベル・スタンジェール
Isabelle Stengers

1949年ブリュッセルのユクルに生まれる。ブリュッセル自由大学卒業。現在 ブリュッセル自由大学文学部教授。構造主義研究グループを主宰。化学史を初め、科学史・科学哲学の著書多数。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
伏見康治
ふしみ・こうじ

1909年名古屋に生まれる。1933年東京大学理学部物理学科卒業。理学博士。もと日本学術会議会長。著書『伏見康治著作集』(全八巻、みすず書房、1986-88)ほか。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
伏見譲
ふしみ・ゆずる

1943年東京都に生れる。1965年東京大学理学部物理学科卒業。理学博士。現在 埼玉大学特任教授・名誉教授。著書『偶然と必然』(共著、東京大学出版会、1982)。『DNAと遺伝情報の物理』(岩波書店、2005)ほか。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
松枝秀明
まつえだ・ひであき

1945年京都市に生れる。1969年京都大学工学部卒業。Ph.D.マサチューセッツ工科大学Research Associate を経て、現在 高知大学名誉教授・帝京大学理工学部教授。著書『光コンピュータ』(共著、オーム社、1985)。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「混沌からの秩序」の画像:

混沌からの秩序

「混沌からの秩序」の書籍情報:

四六変型判 タテ188mm×ヨコ131mm/464頁
定価 5,184円(本体4,800円)
ISBN 4-622-01693-1 C1040
1987年6月30日発行

この本を購入する