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近代史における国家理性の理念

DIE IDEE DER STAATSRASON


第一次世界大戦のドイツ敗北の6年後に刊行された本書は、国家行動の批判という問題意識に支えられた対決の書であって、しかも時代を超えて学問的に第一級のすぐれた古典的業績たることは隠れもない。
本書は近代ヨーロッパのマキアヴェリズムの歴史であり、同時にその精神的克服の試みの歴史でもある。深刻かつ真剣な長い政治と倫理の対決の歴史を、その代表的人間によって、いわば“高山の尾根縦走”の形で述べた言語芸術的傑作である。
国家は倫理的存在であったこともなく、現在もそうではない。国家は自然的原始的基盤に立ち、ナマな権力追求の衝動に盲目的に駆られている。国家の必要に対して立つ普遍的道徳の苦悶は一つの悲劇なのであろうか、と著者は設問する。
精神とは高度に発展した魂の作用である。「認識し、比較し、選択し、判断し」それをつうじて文化を生み出す作用である。この自由な精神と鉄鎖のような自然の間に、無気味で巨大な中間領域が横たわっている。そこに権力のデモンが棲み、神と悪魔が手をつないでいる。精神がそれを看視し、支えるのでなければ、それは野蛮に墜落するであろう。この緊張と背反の人類の歴史的経験について、冷静な歴史分析がここに試みられた。
「夜通し降る春の雨のように学問を蘇らせた。彼の見解はちょうど地下水のようにそれ以後のあらゆる文献に拡がった」(デヒオ)
「歴史的方法の貴重な洗練と歴史的認識の比類なき深化をもたらした」(F.シュナーベル)


目次


刊行者の序文……ヴァルター・ホーファー

序論 国家理性の本質

第一編 絶対主義生成の時期
第1章 マキアヴェルリ
第2章 フランスにおける最初のマキアヴェルリ反対者――ジャンティエとボーダン
第3章 ボテロとボッカリーニ
第4章 カムパネルラ
第5章 イタリアおよびドイツにおける国家理性説の流布
第6章 リシュリューのフランスにおける国家利害説
1 端緒と1624年の『論考』/2 アンリ・ド・ロアン公
第7章 ガブリエル・ノーデ

第二編 絶対主義成熟の時期
第8章 グロティウス、ホッブスおよびスピノーザ瞥見
第9章 プーフェンドルフ
第10章 クールティル・ド・サンドラ
第11章 ルッセ
第12章 フリードリッヒ大王

第三編 近代ドイツにおけるマキアヴェリズム、理想主義および歴史主義
第13章 ヘーゲル
第14章 フィヒテ
第15章 ランケ
第16章 トライチュケ
第17章 回顧と現代

訳者あとがき
第二版 訳者あとがき


著訳者略歴

フリードリッヒ・マイネッケ
Friedrich Meinecke

1862年ドイツのザルツヴェーデルに生れる。歴史学者。ベルリン大学卒業後、『ポイエン元帥伝』(I、1986、II、1899)により教授資格を獲得し、1901年シュトラースプルク大学近代史教授となる。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
菊盛英夫
きくもり・ひでお

1909年生れ。1933年東京大学文学部ドイツ文学科卒業。中央大学教授、東京大学、桐朋学園大学演劇科・音楽科、慶應義塾大学大学院各講師を経て著述業。文学博士。2001年歿。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
生松敬三
いきまつ・けいぞう

1928年東京に生れる。1950年東京大学文学部哲学科卒業。元中央大学教授。1984年歿。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「近代史における国家理性の理念」の画像:

近代史における国家理性の理念

「近代史における国家理性の理念」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/632頁
定価 7,776円(本体7,200円)
ISBN 4-622-01742-3 C3020
1976年3月15日発行

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