人間と適応【第2版】
生物学と医療
MAN ADAPTING

判型 | A5判 |
---|---|
頁数 | 458頁 |
定価 | 8,140円 (本体:7,400円) |
ISBN | 978-4-622-02219-0 |
Cコード | C3040 |
発行日 | 1982年2月1日 |
備考 | 現在品切 |

MAN ADAPTING
判型 | A5判 |
---|---|
頁数 | 458頁 |
定価 | 8,140円 (本体:7,400円) |
ISBN | 978-4-622-02219-0 |
Cコード | C3040 |
発行日 | 1982年2月1日 |
備考 | 現在品切 |
医学の目標は、環境と遺伝という特殊の条件の中で人間がたくみに生存を維持していくのを助けることにある。人間の身体の機構についての化学的組成や性質が重要であるように、人間が社会的な、考える、感じやすい、倫理的な生物であるという事実は、少なくとも人間の医学的な問題を取扱うにあたって重要なことである。
著者は本書で、健康とか病気とかの状態というのは生体が環境の挑戦になんとか適応しようと努力するさいに経験する成功と失敗の表われであることを強調する。そのさい著者の関心は、個々の人間——全力をつくして日々の非常事態に応じ、不確定な未来に備えようとする官能的な平均の人間——に焦点が合わせられている。
しかしながら、経験の示すところによれば、人間は適応系における受動的な成分ではない。一般に人間の応答は個々人の創造として現われてくる。各個人は刺激に反応し、それに適応しながらも、自分で選択したある目的を完遂しようとするものである。
著者の意欲的研究は、『細菌細胞』(1949)、『健康という幻想』(1958)、『人間であるために』(1968)などで知られているが、本書ではその成果があますところなく展開されている。今日の医療行政の諸矛盾、環境問題に関心をもつ人々にとって必読の書といえるであろう。