生きられる時間 2
現象学的・精神病理学的研究
LE TEMPS VECU

判型 | A5判 |
---|---|
頁数 | 336頁 |
定価 | 6,050円 (本体:5,500円) |
ISBN | 978-4-622-02227-5 |
Cコード | C3047 |
発行日 | 1973年12月20日 |
備考 | 現在品切 |

LE TEMPS VECU
判型 | A5判 |
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頁数 | 336頁 |
定価 | 6,050円 (本体:5,500円) |
ISBN | 978-4-622-02227-5 |
Cコード | C3047 |
発行日 | 1973年12月20日 |
備考 | 現在品切 |
ミンコフスキーの著作として『精神分裂病』とならび名声をもつ本書は、フッサールの流れをくむ哲学と、精神病理学の鮮やかな結晶と言えよう。ロシアに生まれフランスに亡命し、精神医学者としてミンコフスカ夫人とともに歩んだ道は平坦なものではなかった。1972年11月に世を去るまで終始野にあった若者の、豊かな臨床経験にもとづく独自の人間への洞察は、深い静かな感動を呼びおこさずにはおかない。異常者の世界から、生きられる時間・空間を追求していった本書は世界的な影響力をもつ。メルロ=ポンティから反精神医学までの、さまざまな萌芽を含みながら、大地のように水の流れのように本書はつねに新しい。
「私は、精神科医となって以来、現象学的与件から出発して、それらを精神病理学的事実に応用しようと試みた。この応用は単に可能であったばかりでなく、われわれの精神医学的知識を拡張するための特殊な方法となるにちがいないと思われた。それ以来、現象学と精神病理学とはつねに相互に影響し合っている。一方に於いて、それだけではともするとあまりにも抽象的になりがちな現象学的考察が、精神病理学に応用されることによって、いわばもっと『手で触りうる』ものとなった。」(本文第一章)