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ユング自伝 1

思い出・夢・思想

MEMORIES, DREAMS, REFLECTIONS


スイスの分析心理学者カール・グスタフ・ユングの名前はわが国でもよく知られている。彼はフロイトと共に初期の精神分析の発展に力をつくしたが、後にフロイトと訣別し、独自の分析心理学を確立した。彼の説はヨーロッパでつよい影響力をもち、その専門領域を超えて、ひろく宗教・芸術・文学などの分野にまで影響を及ぼしている。

本書はユングの自伝である。彼の仕事と生活はいかにして形成されたか。そのユニークな洞察力と多くの理論がいかなる経験的背景をもつのか。読者は本書にのべられているユングの夢やヴィジョン(幻像)の凄まじさに、驚嘆せずにはいないだろう。ユングにとって内的世界は、外界と同じく「客観的な」一つの世界なのである。それは事象の生起している世界なのである。内界の奥深く旅して、ユングが遂に見出した「自己」について語ろうとするとき、それは神話として語るほかには、手段を見出すことができない。この本は、そうした意味で、近代における内部世界への旅を記したオデュッセイアーであるということができる。

今日の時代精神が、外向的な面に強調点をおいているときに、このような自伝を発表することの意味について、ユングは迷ったに違いない。その上、彼は自分のことについて語るのを極端に嫌った人である。しかし本文にも記されているような経過をたどって、ユングの内界からの強い要請は、81歳の老人に自らペンをもって記述するほどの力を与えたのである。そして、これはユングの遺志によって彼の死後、1962年に発行されたのであった。全2巻


目次


はしがき   (アニエラ・ヤッフェ)
プロローグ
I 幼年時代
II 学童時代
III 学生時代
IV 精神医学的活動
V ジクムント・フロイト
VI 無意識との対決
訳者あとがき


著訳者略歴

カール・グスタフ・ユング
Carl Gustav Jung

1875年生まれ。スイスの心理学・精神医学者。チューリッヒ大学講師、バーゼル大学教授を勤めるが、主として分析治療に従事する。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
アニエラ・ヤッフェ
Aniela Jaffe

ベルリンに生れ、スイスに移住後ユングの教えを受ける。1947年、ユング研究所の秘書となるが1955年よりユング個人の秘書となり、彼の深い信頼を受けてその仕事を助ける。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
河合隼雄
かわい・はやお

1928年兵庫県に生れる。京都大学理学部卒業。1965年ユング研究所(スイス)よりユング派精神分析家の資格を取得。京都大学名誉教授。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
藤繩昭
ふじなわ・あきら

1928年に生れる。京都大学医学部卒業。京都大学名誉教授。現在甲南女子大学教授。著書『臨床精神病理研究』(1982)『精神療法とエロス』(1987、以上弘文堂)。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
出井淑子
いでい・よしこ

1940年東京都に生れる。京都大学教育学部大学院卒業。現在大阪音楽大学教授。著書『保育基礎講座第三巻』、『同第七巻』(共著、朝倉書店、1972)。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

鏡リュウジ(占星術研究家)
<朝日新聞 2013年5月5日(日)>

この本の関連書


「ユング自伝 1」の画像:

ユング自伝 1

「ユング自伝 1」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/296頁
定価 3,024円(本体2,800円)
ISBN 4-622-02329-6 C1023
1972年6月20日発行

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