みすず書房

ユング自伝 1

思い出・夢・思想

MEMORIES, DREAMS, REFLECTIONS

判型 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm
頁数 296頁
定価 3,080円 (本体:2,800円)
ISBN 978-4-622-02329-6
Cコード C1023
発行日 1972年6月20日
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ユング自伝 1

スイスの分析心理学者カール・グスタフ・ユングの名前はわが国でもよく知られている。彼はフロイトと共に初期の精神分析の発展に力をつくしたが、後にフロイトと訣別し、独自の分析心理学を確立した。彼の説はヨーロッパでつよい影響力をもち、その専門領域を超えて、ひろく宗教・芸術・文学などの分野にまで影響を及ぼしている。

本書はユングの自伝である。彼の仕事と生活はいかにして形成されたか。そのユニークな洞察力と多くの理論がいかなる経験的背景をもつのか。読者は本書にのべられているユングの夢やヴィジョン(幻像)の凄まじさに、驚嘆せずにはいないだろう。ユングにとって内的世界は、外界と同じく「客観的な」一つの世界なのである。それは事象の生起している世界なのである。内界の奥深く旅して、ユングが遂に見出した「自己」について語ろうとするとき、それは神話として語るほかには、手段を見出すことができない。この本は、そうした意味で、近代における内部世界への旅を記したオデュッセイアーであるということができる。

今日の時代精神が、外向的な面に強調点をおいているときに、このような自伝を発表することの意味について、ユングは迷ったに違いない。その上、彼は自分のことについて語るのを極端に嫌った人である。しかし本文にも記されているような経過をたどって、ユングの内界からの強い要請は、81歳の老人に自らペンをもって記述するほどの力を与えたのである。そして、これはユングの遺志によって彼の死後、1962年に発行されたのであった。全2巻

目次

はしがき   (アニエラ・ヤッフェ)
プロローグ
I 幼年時代
II 学童時代
III 学生時代
IV 精神医学的活動
V ジクムント・フロイト
VI 無意識との対決
訳者あとがき

書評情報

鏡リュウジ(占星術研究家)
朝日新聞2013年5月5日(日)