みすず書房

角運動量の基礎理論

ELEMENTARY THEORY OF ANGULAR MOMENTUM

判型 A5判 タテ210mm×ヨコ148mm
頁数 264頁
定価 4,620円 (本体:4,200円)
ISBN 978-4-622-02520-7
Cコード C3042
発行日 1971年8月 1日
備考 現在品切
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角運動量の基礎理論

角運動量の理論は、原子核および原子核構造の物理理論の発展にとってきわめて重要な役割を果してきた。それは、実験技術の改良によって核反応における角分布や、連続して放射される輻射の角度相関の測定が可能になったことと関係している。この新理論は、原子核能率に関する問題の定式化に成功するなど、現代物理学における重要な位置を占めるにいたっている。
角運動量理論は高度に形式的なものであるが、その基礎は群論とテンソル代数とにある。この理論の数学的・物理的な構成は本書第I部で詳述され、第II部はその広範な応用の解説にあてられている。
本書では、角運動量の理論が初等的に解説されており、また比較的常識化している量子力学の知識との融和が試みられている。そのため本書は、原子物理学、核磁気共鳴、原子核の構造と反応、素粒子の相互作用や分類など、物理学の広範な分野に適用されている数学的方法を理解するための入門書として好適であろう。
M.E.ローズ教授は、ウーレンペックの指導の下にミシガン大学を卒業後、プリンストン高級研究所、コーネル大学、オークリッジ国立研究所、バージニア大学などで原子核反応に関する研究にたずさわり、1967年急逝した。原子核整列の方法の創始者として、サイクロトロンの研究者としてとくに著名である。

目次

序文

第 I 部 一般論
第1章 基本原理の概説
1. エルミート演算子/2. ユニタリ交換/3. 演算子の対角化/4. ユニタリ演算子の指数形
第2章 角運動量演算子
5. 角運動量演算子の定義/6. 軌道角運動量/7. 角運動量演算子に対する交換則/8. 角運動量演算子の固有値/9. 角運動量の物理的解釈
第3章 2個の角運動量の結合
10. Clebsch-Gordan係数の定義/11. Clebsch-Gordan係数の対称性の関係/12. Clebsch-Gordan係数の計算法
第4章 回転に対する変換性
13. 回転演算子の行列表現/14. Clebsch-Gordan級数/15. 回転行列の決定/16. 回転行列の直交性および規格化
第5章 既約テンソル
17. 既約テンソル演算子の定義/18. 既約テンソル演算子についてのRacahの定義/19. Wigner-Eckartの定理/20. 1階のテンソルに対する射影定理/21. ベクトル場の角運動量
第6章 Racrh係数
22. 3個の角運動量の結合/23. Racah係数の性質/24. 基本的な応用/25. 勾配公式

第 II 部 応用
第7章 電磁場
26. Maxwellの方程式/27. 多重極場
第8章 静的相互作用
28. 静電荷分布の多重極能率/29. スピン相互作用
第9章 スピン1/2の粒子
30. 非相対論的記述/31. 相対論的記述
第10章 整列した原子核と角度相関
32. 偏極した原子核による偏極した中性子の捕獲/33. 角度相関/34. 整列した原子核によるアルファ粒子の放射
第11章 核反応における角分布
35. j-jおよびL-S結合/36. 核反応における角運動量の結合
第12章 同一粒子
37. 同一粒子のj-j結合/38. 同一粒子L-S結合/39. アイソ・スピン

付録I Clebsch-GordanおよびRacah係数
付録II 回転行列
付録III 球面関数

訳者あとがき
人名索引
事項索引