1929年パリに生まれる。両親はウィーン出身のユダヤ人であり、ドイツ語とフランス語を話す環境に育つ。第二次大戦中にアメリカに移り、シカゴ大学、ハーヴァード大学に学ぶ。英独仏三ヵ国語の文化を負う独自のヨーロッパ的知識人は、こうして誕生した。オクスフォード、ケンブリッジ大学をへて、1974年以来ジュネーヴ大学の英文学・比較文学教授をつとめる。1994年からオクスフォード大学教授。著書は本書の他に『トルストイかドフトエフスキーか』(1959)『悲劇の死』(1961)『言語と沈黙』(1967)『脱領域の知性』(1971)『青鬚の城にて』(1971)『バベルの後に』(1975)『難解さについて、その他』(1978)『アンティゴネーの変貌』(1984)『真の存在』(1989)など。また『A・Hのサンタリストバルへの搬送』(1979)など小説も書いている。