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意識と言語の獲得<品切>

ソルボンヌ講義 1

MERLEAU-PONTY A LA SORBONNE

resume de cours 1949-1952


 〈幼児は、他者を模倣する前に他者の活動を模倣するものです。この最初の模倣は、幼児が他者の身体を構造化された行為の担い手として一挙に把握しているということ、そして幼児が自分自身の身体を、ある意味をもった身ぶりを実現するための恒常的で全体的な能力として経験していることを前提にしています。つまり、模倣は他者の行動の把握と、自己のがわでは、観想的ではなく運動的なものとしての主体、フッサールの言う「われなしあたう」としての主体を前提にしているのです。〉

 『行動の構造』と『知覚の現象学』によって、哲学者としての地位を確たるものにしていたメルロ=ポンティは、1949年にソルポンヌに移り、児童心理学および教育学の講座の主任教授になった。戦後、サルトルとともに実存主義運動を展開し、華麗な文筆活動を行なっていただけに、この人事は世間を驚かせた。ところが、授業が始まると、そのすばらしさを聞きつけ、学生ばかりかフーコーを始め若き知識人たちも、文学部の階段教室における彼の講義に殺到したという。その9つの講義から『ソルポンヌ講義 1949-52』は成った。当時、身体論からソシュール研究を中心に新たな言語論を模索していたメルロ=ボンティの思索の歩みが、ここには刻印されている。第1巻には「意識と言語の獲得」と「大人から見た子ども」の二講義を収録。全3冊でここに公刊する。


目次


編集注記
意識と言語の獲得(1949-50年度)
序論
1 反省的な考え方/2 新たな問題の立て方/3 結論
〔第1章〕心理学的に見た幼児の言語の発達
〔第1節 概観〕
〔第2節〕生後一年間の言語の獲得
1 最初の数週間/2 喃語/3 最初の言葉〔初語〕
〔4〕初語の意味
〔第3節 生後五年間における言語の獲得〕
〔第4節 言語構造の獲得〕
A音素の獲得/B模倣の現象
〔第5節 他者の存在〕
〔1〕フッサールによって立てられた他者存在の問題/〔2〕フッサールの立場/〔3〕マックス・シェーラーの考え方/〔4〕シェーラーについての討議/〔5〕結論
〔第6節〕七歳までの言語の発達
〔第7節〕七歳以上の子どもたちのおこなうコミュニケーション
〔第2章〕言語の病理
〔第1節 概観〕
第2節 言語性幻覚
1 第一の考察/2 第二の考察/3 要素/4 幻覚への適用
第3節 失語症研究
1 二つのテーゼの対置/2 K・ゴールトシュタインによる言語活動の分析
結論
〔第3章〕言語学の寄与
〔第1節 序論〕
〔第2節 言語学の成果〕
1 音声/2 文法/3 語彙(意味論)/〔4 結論〕
〔第3節 哲学的意義〕
〔1 音素と文法〕/〔2 ソシュールの見解〕/〔3 歴史哲学への応用〕/〔4〕結論
大人から見た子ども(1949-50年度)
〔序論〕
I 他の諸学科に対する教育学の位置
a 教育学と道徳の関係/b 教育学と児童心理学の関係
II 教育学と歴史
III 教育学と精神分析
a 精神分析は社会関係の研究にどの程度まで応用できるか/b 精神分析の考え方のうちにある曖昧さ
IV 教育学と史的唯物論
a エンゲルスの考え方の提示/b この考え方の検討/c 結論
〔第1章 親子関係〕
I 子どもの誕生以前
a 母親との関係/b 夫との関係/c 子どもとの関係
II 誕生後
A 「母―子」関係/B 父親の役割/C 結論
〔第2章〕子どもの発達の諸段階
コンプレックスについての新たな考え方
イマゴの概念
I 離乳コンプレックス
II 闖入コンプレックス
鏡像の重要性
III エディプス・コンプレックス
1 定義/2 「エディプス・コンプレックス」と「エレクトラ・コンプレックス」/3 エディプス・コンプレックスの重要性/4 エディプス・コンプレックスの普遍性の問題
〔5〕具体例の分析――L・サイモンズ『太陽の酋長』/〔6〕もう一つ別の例の分析――トロブリアンド諸島において子どもの置かれている諸条件/〔7〕マリノフスキーの観察についての補足/〔8〕マリノフスキー対ジョーンズの論争
〔第3章〕文化主義的社会学の研究成果
I アロール島の住民についてのカーディナーの研究
1 一般的特徴の記述/2 カーディナーの解釈
〔3〕結論
II もう一つの例――アメリカの村プレンビル
主要な特質/社会構造/社会生活/宗教/投射体系/子どもの教育/このような教育の結果
III 原始的な教育のもう一つの類型についての研究――ナヴァホ族
最初の六年間の教育/六歳から思春期まで/成人の生活/老年と死/要約/二、三の注記
〔第4章〕ソシオメトリー〔と心理学〕
精神分析的起源/マルクス主義的起源/社会学的定位、ソシオメトリー
A モレノの考え方の興味深い諸点/B モレノの用いる諸概念の不十分さ
心理学的定位/モレノの実践の概念
A 自発性を再喚起するためのいくつかの技法/B 人間関係の分析/C 心理劇による治療/D 社会劇
訳注
解説
訳者あとがき


著訳者略歴

モーリス・メルロ=ポンティ
Maurice Merleau-Ponty

1908年フランスに生まれる。1926年エコール・ノルマル・シュペリュール入学。在学中サルトル、ボーヴォワール、レヴィ=ストロースらと知り合う。1930年哲学教授資格試験に合格。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
木田元
きだ・げん

1928年生まれ。東北大学文学部卒業。中央大学名誉教授。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
鯨岡峻
くじらおか・たかし

1943年生まれ。1968年京都大学文学部卒業。京都大学博士(文学)。京都大学名誉教授。現在 中京大学心理学部教授。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「意識と言語の獲得」の画像:

意識と言語の獲得

「意識と言語の獲得」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/304頁
定価 6,156円(本体5,700円)
ISBN 4-622-03184-1 C3010
1993年6月11日発行
<ただいま品切です>