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世界年代記<品切>

中世以来の歴史記述の基本形態

CHRONICA MUNDI

GRUNDFORMEN DER GESCHICHTSCHREIBUNG SEIT DEM MITTELALTER


浩瀚な『ブルクハルト伝』(全7巻)を著したスイスの歴史家ケーギの珠玉のような小品である。本書は中世から19世紀までの歴史記述の特徴を捉えた3篇からなる。

中世人にとって歴史は始めと終りのある局限されたものだった。12世紀のフライジングのオットーは、アダムとエヴァの楽園追放と最後の審判を両端とする人類史を描く。天の国と地の国、永遠と無常、これらの対立・合同が基調となる。オットーにとって地の国の無常の象徴だったフォルトゥーナ(運命の女神)の歯車が、マキアヴェルリにはヴィルトゥの活躍の場である。彼は個々の民族におけるヴィルトゥの盛衰過程に注目した。セバスティアン・フランクにとっては歴史自体のなかに意味があった。それは歴史的汎神論ともいうべきものであり、19世紀のランケの歴史主義と結びつく。
ランケは、ヨーロッパの自由は独立自律の個性としての諸国民の均衡のなかにあるという。この思想をブルクハルトは維持しただけでなく、時とともにますます色あざやかに展開した。しかしランケが文化をもっぱら国家と教会の関連で扱ったのに対し、ブルクハルトは国家・教会・文化の自由な緊張関係のなかに人間の歴史に特有な風土をみたのである。
本書は幾世紀にもわたる歴史家の営みを眼前に展開し、歴史の内奥へと読者を誘う。



著訳者略歴

ヴェルナー・ケーギ
Werner Kaegi

スイスの文化史家、歴史随筆家。1935年よりバーゼル大学数授。ブルクハルトの学風を継承発展させ、ルネサンス・人文主義の精神史的研究で知られる。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
坂井直芳
さかい・なおよし

1909年新潟に生れる。1933年東京大学文学部卒業。戦前・戦後を通じてイギリス、スイス、イタリアなどに留学。西洋近代史専攻。著書J.S.Mill’s Conception of Freedom,Zurich,1957。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


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世界年代記

「世界年代記」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/128頁
定価 1,620円(本体1,500円)
ISBN 4-622-03343-7 C1020
1990年6月1日発行
<ただいま品切です>