ラティモア 中国と私<品切>
CHINA MEMOIRS
Chiang Kai-shek and the War Against Japan
- 著者
- オーエン・ラティモア
- 編訳
- 磯野富士子
モンゴル・中国辺境の研究で知られるオーエン・ラティモアが、かつて蒋介石の私的顧問を務めた日々。それは、日本の侵略と国共合作に激しく揺れる中国を、内側から見る稀有の体験であった。彼は12歳までを中国で、思春期をヨーロッパで送った。貿易商社に勤めて中国奥地へ赴き、そこでモンゴルとモンゴル人に生涯の関心をいだくようになり、学者への道を踏み出した彼に、ある日ホワイト・ハウスから電話がかかる。
重慶では、まさに網の目の人間関係・権力関係がくりひろげられた。半分封建的で半分近代的な頭をもつ、しかしまぎれもない愛国者の蒋介石。その完全には信頼し合わない政治的同盟者、宋美齢夫人。?一族の宋子文と孔祥熙の競合。互いに秘密を漏らす複数の諜報機関。割拠する軍閥。歴史上最も偉大なナンバー・ツー周恩来。〈中国の新しい皇帝になれそうな人〉毛沢東。時の表舞台に立つ公人たちの素顔に、ラティモアはじかに接する機会があった。
ラティモアの国共合作指支持は、戦後マッカーシー旋風の吹き荒れるアメリカで、彼を政治の内幕を知る重要人物にしてしまった。だが実のところ、彼の関心は、イデオロギーよりも事実のほうにいつもあったのだ。話上手で、ときに実際より面白く語りがちだったラティモアの回想録は、なによりも、時代の雰囲気をいきいきと伝える。
著訳者略歴
この本の関連書
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「ラティモア 中国と私」の書籍情報:
- 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/328頁
- 定価 3,630円(本体3,300円)
- ISBN 4-622-03356-9 C1022
- 1992年10月2日発行
<ただいま品切です>