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ディナモ・フットボール<品切>

国家権力とロシア・東欧のサッカー


サッカーの歴史を振り返ると、旧ソヴィエト圏、東欧、旧東ドイツには、頭に「ディナモ」とつく名門クラブ・チームが存在する。これはいったい何を意味するのか? 著者が取材を進める中で明らかになったことは、それらのクラブには、内務省・秘密警察が大きく関わっていたという事実である。対戦国に勝つための水面下の工作(国威の発揚)もあれば、選手に諜報機関員やその使命を帯びた者を配し、海外試合を利用するということもあったようだ。

「ディナモ」(DYNAMO)は「ダイナモ」に通じることから、これまで「電気技師組合のクラブ」というのが定説だったが、実際は、警察、秘密警察、内務省のクラブであった。東欧諸国に数ある「デイナモ・~」のルーツは旧東側陣営の総本山モスクワである。ディナモ・モスクワこそが元祖ディナモであり、ロシアにおけるクラブのルーツでもある。そういった事情のため「ディナモ」という名称は社会主義の時代を生きた人々にとって「憎悪」と「憧憬」という引き裂かれた感情の象徴となっている。

スポーツが政治と関わることは多く、昨今そのテーマでの質の高い出版物が現われるようになってきた。本書はそういったなかで、まさに今まで語られていない切り口で、サッカーと政治・社会の相克を描き出す優れたドキュメンタリー作品となっている。冷戦の時代が終わり、東西対立は過去のものとなった。政治社会情勢が変わり、スポーツは新たな社会構造・経済構造との関わりの中で変貌を余儀なくされている。文化としてのサッカーは、そして、かつての名門クラブはどこへ向かうのであろうか。



著訳者略歴

宇都宮徹壱
うつのみや・てついち

写真家・ノンフィクション作家。1966年福岡県生まれ。1992年東京芸術大学大学院美術研究科修了。TV制作会社勤務を経て、1997年よりジャーナリストとしての活動を始める。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

編集者からひとこと

W杯の開幕が凄い勢いで近づいて来る。その時期に、みすず書房より2冊目のサッカーをテーマとした単行本を刊行できたことは、一サッカー・ファンである担当者にとってとてもうれしいことである。 ...続きを読む »

著者からひとこと

1987年、秋。当時、東京・池袋にあった西武美術館で、『芸術と革命 II』という展覧会が開催された。 ...続きを読む »

この本の関連書


「ディナモ・フットボール」の画像:

ディナモ・フットボール

「ディナモ・フットボール」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/272頁
定価 2,592円(本体2,400円)
ISBN 4-622-03389-5 C0075
2002年4月12日発行
<ただいま品切です>