中世の身ぶり
LA RAISON DES GESTES DANS L’OCCIDENT MEDIEVAL

判型 | A5判 |
---|---|
定価 | 7,150円 (本体:6,500円) |
ISBN | 978-4-622-03496-4 |
Cコード | C1022 |
発行日 | 1996年3月13日 |
備考 | 現在品切 |

LA RAISON DES GESTES DANS L’OCCIDENT MEDIEVAL
判型 | A5判 |
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定価 | 7,150円 (本体:6,500円) |
ISBN | 978-4-622-03496-4 |
Cコード | C1022 |
発行日 | 1996年3月13日 |
備考 | 現在品切 |
『ロランの歌』の中でカール大帝は髭をひねって泣いている。『バイユーの綴織』に描かれたハロルドは、ノルマンディ公ウィリアムの前で聖遺物箱の上に手を置いて宣誓をする。あるいは司祭が聖体のパンを持ち上げるとき、信徒はひざまずき、手を組んで見つめている。こうした身振りは今日の私たちにとって、あるいは分かりにくく、あるいは親しく感じられる。身振りそのものは廃れても、言い回しに残る場合もある(「脱帽する」「手を差しのべる」など)。身振りとは身体の社会的使用であり、ある文明に固有の、長い時間につれて変化するものである。
本書は古代末期から中世にいたる西欧のほぼ千年間を視野に収めながら、身振りの歴史を叙述する画期的な著作である。人類学の業績と広範な資料研究に基づく著者のアプローチは、中世における身振り解釈と、図像表現の双方を組み合わせながら、身振りと動き(さらには身体)に対して西欧中世がいかなる態度をとったかを明らかにしてゆく。中世が産み出した身振り解釈という大きな問題を扱いながらも、修道士の身振り、祈りの身振り、ミサの身振りなどを細かく検討することも怠らず、見事な全体図を提出している。
シャルチエ、バーロー、バストゥローに並ぶ、アナール学派第四世代の旗手によるこの研究は多くの領域に刺激を与えよう。