受容と変容
日本近代の経済と思想

判型 | 四六判 |
---|---|
定価 | 2,420円 (本体:2,200円) |
ISBN | 978-4-622-03635-7 |
Cコード | C1033 |
発行日 | 1978年7月4日 |
備考 | 現在品切 |

判型 | 四六判 |
---|---|
定価 | 2,420円 (本体:2,200円) |
ISBN | 978-4-622-03635-7 |
Cコード | C1033 |
発行日 | 1978年7月4日 |
備考 | 現在品切 |
幕末の神奈川・長崎・函館開港から130年。世界市場に強制的に編入された日本経済は、一世紀余を経て今やわが世の春を謳歌しているかに見える。「近代」の意味を考えるなどということはもはや時代遅れで、すでに「超近代」に突入しているかのようである。しかし、リクルート事件に端的に見られるように、政治の庇護を得てもうける企業、倫理の背骨をもたない「自由」の横行——こうした事態はまさに「近代」は所与ではなく、われわれに突きつけられた課題だということを如実に物語っている。
本書は、日本近代に固有の問題解明への視点を提供し、また先人たちがこれをいかに捉えたかを考察する。ここには自生的に市民社会を達成した西欧近代と現代との対話がある。北一輝論(関口尚志)、ナショナリズム論(山下幸夫)、ヴェーバー市民社会論(田中豊治)、自由主義経済学の受容(杉原四郎)、半世紀のリスト受容(小林昇)。話題は貿易摩擦、農業問題、学問のあり方にまで及ぶ。現在の経済・思想状況に示唆するところ大であろう。