母権論 2
古代世界の女性支配に関する研究
DAS MUTTERRECHT

判型 | A5判 |
---|---|
定価 | 7,700円 (本体:7,000円) |
ISBN | 978-4-622-03790-3 |
Cコード | C3036 |
発行日 | 1993年7月20日 |
備考 | 現在品切 |

DAS MUTTERRECHT
判型 | A5判 |
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定価 | 7,700円 (本体:7,000円) |
ISBN | 978-4-622-03790-3 |
Cコード | C3036 |
発行日 | 1993年7月20日 |
備考 | 現在品切 |
〈いまやバッハオーフェンの関心を占めるのは、地上の建造物としての法のメッセージである。そしてその地下の未踏の深みにある基礎を形成しているのが古代世界における習慣、宗教的風習なのだ。この建造物の設計や、さらに様式ならばよく知られていたが、それでも地下まであえて踏査しようなどとはまだ誰も考えなかったようだ。これこそがバッハオーフェンが“母権制”についての大研究でなしたことである。〉
(ヴァルター・ベンジャミン)
ニーチェ、ブルクハルトとともにその名を語られたバーゼルのローマ法史家、バッハオーフェンは、尨大なギリシア・ローマの神話伝承に、集団記憶としての歴史記述を読みとり、古代世界に母権制社会の存在を発見した。法律的な面でも、性的な面でも、父権制とは全く異質の秩序が、本書の浩瀚な引用テクストに展開される。アプロディーテー的乱婚制・娼婦制の時代から、デーメーテール的母権制の時代、そしてアポローン的父権制の時代へ、この移行の3段階が、第1巻のギリシア、エジプトにつづき、第2巻ではインド、中央アジア、エーリスに検証される。それは歴史的過去の解釈のみならず、われわれの文化の精神構造に対する深い理解へと導く質をもそなえている。