みすず書房

語り伝えよ、子どもたちに

ホロコーストを知る

TELL YE YOUR CHILDREN

判型 A5判 タテ210mm×ヨコ148mm
頁数 184頁
定価 1,980円 (本体:1,800円)
ISBN 978-4-622-03848-1
Cコード C0031
発行日 2002年3月14日
備考 現在品切
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語り伝えよ、子どもたちに

1997年、スウェーデン政府は、ヨーロッパにおけるホロコーストについて、国民、とくに若い世代に向けて、その真実を伝えようとするプロジェクト、「生きている歴史」を発足させた。この成果が本書であり、1998年の刊行後、ドイツをはじめ多くの国々で翻訳されて現在に至っている。

この本がこれほどまでに各国で受け入れられている理由は、多様な資料によって伝わる具体性が、戦争を知らない若い人々にも、歴史の犠牲者たちの苦しみや悲しみを感じ取り具体的にイメージする力、つまり想像力を起こさせる力を持っていることにある。
人間としての権利や自由を剥奪されたゲットーでの生活、収容所での過酷な労働、その果てに殺されたユダヤ人たちの姿を、本書は写真や人々の証言のみならず、日記、年譜、当時の法令、詩、絵など多角的な資料を通して、私たちの目の前に浮かび上がらせる。毎日毎日、ユダヤ人を満載にして収容所に到着し、空になって発車していく列車…その時刻表とヨーロッパ各地から収容所へ向けて延びる鉄道地図が、幾千の言葉より多くを語ることがある。一篇の詩が、歴史の真実を刻むことがある。

大戦下のヨーロッパでユダヤ人の身になにが起こったのか? なぜ起こりえたのか? ごく普通の人間が大量殺戮の計画に直接・間接に加担し、長期にわたって実行してきたホロコーストの事実は、身の毛がよだつほど恐ろしいものだが、事実を知ることを拒否することは、再びその悪夢を繰り返すことにも繋がるだろう。

日本人外交官、杉原千畝のビザを手に神戸へやって来たユダヤ人の姿を追う、日本語版のための一章、中村綾乃「カウナス・神戸・上海—ホロコーストと日本」を付す。

目次

日本の読者へのメッセージ S・ブルッフフェルド/P・A・レヴィーン
語り、伝えるということ 高田ゆみ子
***
実験モルモットとしての子どもたち
序文
第二次大戦前のユダヤ人の生活
ゲットーの設営
強制収容
大量殺戮の開始
抵抗運動と支援
傍観者
ホロコーストから学べるか?
***
カウナス・神戸・上海——ホロコーストと日本 中村綾乃
『語り伝えよ、子どもたちに』に寄せて 高橋哲哉

注/図版/参考文献/用語解説