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ハエ、マウス、ヒト

一生物学者による未来への証言

LA SOURIS, LA MOUCHE ET L’HOMME


本書は単なる科学解説書ではない。オペロン説の提唱者である著者は、ノーベル医学生理学賞受賞者として、また遺伝子革命の立会人として、現代生物学がたどった道を諄々と説いている。

しかし同時に、科学者の人間としての側面、科学と政治社会の関係に視線を注ぐことを忘れない。かくて随所に、交友関係のおもしろいエピソード、ちょっとした秘話が織りなされることになる。予見不可能性という条件下にある人間社会が、いかに偶然性に左右されつつ、しかし執拗に知を求めてきたかの証拠であり、著者はそこにどのような問題がひそんでいるか、人間のよろこびと悲しみ、偉大と悲惨が、日常と非日常、公と私の世界の狭間でどのような劇を演ずるか、そしてさらに、そのような人間の条件が、地球文明の将来とどのように本質的に関わりあっているかを、曇りのない目で見つめて直截に語っている。

ここには、ゲノム解読計画の急速かつ一方的な進展を前にして、ヒトのクローン誕生の現実化を危惧しつつ、明確な展望をもちえない私たちが耳を傾けるべき、ヨーロッパのもっとも良質な知性による率直な意見がある。科学者の誠実がいまほど必要とされる時がないとすれば、本書には、その稀なすがたが見られるといってよい。



著訳者略歴

フランソワ・ジャコブ
Francois Jacob

1920年6月17日、フランスのナンシー市に生まれる。1950年にパスツール研究所に入り、60年に同研究所の細胞遺伝学部部長。82年に理事長となる。コレージュ・フランス教授。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
原章二
はら・しょうじ

1946年、静岡県伊東市生まれ。1970年早稲田大学文学部卒業。パリ大学博士(哲学)。現在、早稲田大学教授。哲学・美学専攻。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「ハエ、マウス、ヒト」の画像:

ハエ、マウス、ヒト

「ハエ、マウス、ヒト」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/200頁
定価 2,808円(本体2,600円)
ISBN 4-622-03947-8 C1045
2000年4月25日発行

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