スリープ・ウォッチャー

THE SLEEPWATCHERS

著者: ウィリアム・C・デメント

訳者: 大熊輝雄

判型	四六判
定価	2,420円（本体：2,200円）
ISBN	978-4-622-03950-1
Cコード	C1047
発行日	1994年5月31日
備考	現在品切

心理・精神医学心理学

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巨大タンカー・エクソンバルデス号の原油流出事故、スペースシャトル「チャレンジャー」の爆発、チェルノブイリやスリーマイル島の原子力発電所事故——これらの災害や悲劇のかげに睡眠の問題が隠れている。まさか、と思われるだろうか。睡眠は人生のおよそ三分の一を占め、覚醒時の生活にも大きな影響を与えている。だが、それにしても、私たちは睡眠についてあまりにも知らないのではないだろうか。
本書は、眠りの王国を訪ねてみたい人への、簡潔で読みやすいガイドブックである。案内人はアメリカの睡眠研究の第一人者デメント。レム睡眠、不眠、昼間の眠気、概日リズムと時差ぼけ、睡眠時無呼吸、乳児突然死、生物時計と睡眠負債、明晰夢…。重要なトピックを最高水準の知識で、ユーモア溢れる数々の逸話や苦心談を交えながら語る。レム睡眠時には覚醒時よりも脳の活動レベルは高いというような意外な知見が随所にみられ、読者を驚かす。
本書は、現代睡眠研究の黎明期からつに〈眠りの科学〉の最前線を歩み続けた科学者の半生記でもあり、睡眠研究の歴史の証言ともなった。

著訳者略歴

＊ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

ウィリアム・C・デメント

William C. Dement

1928年アメリカ・ワシントン州に生れる。シカゴ大学医学部でナサニエル・クライトマンの下に学び、レム睡眠を中心とした、睡眠と夢の生理・心理学の研究で大きな業績をあげている。1963年スタンフォード大学睡眠研究室を開設。1970年世界で最初の睡眠障害診断治療施設であるスタンフォード睡眠障害クリニックを開設。1990-92年米国睡眠障害研究委員会委員長。現在スタンフォード大学教授、スタンフォード大学睡眠障害クリニック所長。“Dream recalland eye movements during sleep in schizophrenics and normals”（1955）ほか多数の論文があり、著書にSome Must Watch While Some Must Sleep（1972）（邦訳『夜明かしする人、眠る人』みすず書房）などがある。

大熊輝雄

おおくま・てるお

1926年岡山市に生れる。鳥取大学医学部、東北大学医学部教授、国立精神・神経センター総長を経て、現在同名誉総長。日本睡眠学会代表幹事。著書『臨床脳波学』（1963）『臨床脳波アトラス』（1974）『睡眠の臨床』（1977）『脳波判読 step by step入門編』（1986）『脳波判読 step by step症例編』（1986、以上医学書院）『現代臨床精神医学』（金原出版、1980）『人間を変える——感覚遮断と洗脳』（筑摩書房、1966）『不眠症をなおす』（保健同人社、1978）『夢であなた自身がわかる本』（KKベストセラーズ、1986）『現代人の不眠症読本』（講談社、1988）ほか。訳書ヴァーノン『暗室のなかの世界』（1969）デメント『夜明かしする人、眠る人』（1975、以上みすず書房）コールマン『午前3時に目がパッチリ』（日経サイエンス、1988）。