精神病
LA PSYCHOSE

判型 | 四六判 |
---|---|
定価 | 4,400円 (本体:4,000円) |
ISBN | 978-4-622-03951-8 |
Cコード | C3047 |
発行日 | 1994年12月13日 |
備考 | 現在品切 |

LA PSYCHOSE
判型 | 四六判 |
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定価 | 4,400円 (本体:4,000円) |
ISBN | 978-4-622-03951-8 |
Cコード | C3047 |
発行日 | 1994年12月13日 |
備考 | 現在品切 |
アルフォンソ・ドゥ・ヴァーレンにかかると、フッサールのこともハイデガーのことも、すべてお見通しである。——エマニュエル・レヴィナス
卓抜なメルロ=ポンティ論「両義性の哲学」で知られるドゥ・ヴァーレンは、精神病、とりわけ分裂病を通してみられる無意識の次元と、そこでの言語活動を考察することから、世界—内—存在としての人間の条件を構成する諸構造に迫ろうとしていた。それは、ラカン派の精神分析と現象学や哲学的人間学を架橋する試みでもあった。本書はその最たる成果である。
フロイトのシュレーバー症例やナルシシズム論、ラカンの父の隠喩の挫折などをとりあげながら、著者は主体の起源と生成、ランガージュとバロール、その現実との関係、エディプス状況の意味、分裂病の諸症状、身体性の問題などを厳密に論じあげる。それは、ややもするとアクロバティックなものになりがちなラカン派の分析的視点に立脚した精神病論に、一つの堅固な基盤を提供するものといえよう。哲学者の立場から精神病を解明しようとした、貴重な一冊である。