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日本人の生いたち

自然人類学の視点から

著者
山口敏

胴長、直毛、扁平な顔――日本列島に現在住んでいる人びとは、いつ、どこから移り住み、どのような経緯をたどってこうした身体的特徴をもつにいたったのか?この問題を扱う自然人類学には、二つの行き方がある。一つは、現在の日本列島人のさまざまな身体特徴にみられる地域差を明らかにし、それらを列島周囲の諸集団の特徴と比較することにより、間接に過去の人の動きを復元しようとする分野である。
もう一つは、過去に直接さかのぼり、遺跡で発見される古人骨の特徴から日本列島人の起源と時代的な移りかわりのあとをたどってゆく分野である。
自然人類学による日本人研究には一世紀をこえる長い歴史がある。本書は、形態的な形質、とくに骨学を専門とする著者が、ベルツやモースの先駆的研究に始まる先人の業績を振り返りながら、日本列島人の地域差と時代差を統一的に説明する仮説を打ち立てようとする壮大な試みである。
人類学における日本人観の変遷や、「日本人とは何か」という問いの根源にかかわる《人種》という問題についての考察から、新しい発見や最新の研究成果の紹介、さらに弥生時代人の原郷をめぐって著者自身が行なった日中共同研究の成果の報告まで、日本人の身体的特徴とその生いたちに迫るユニークな人類学物語である。


目次


まえがき
第一章 人類学事始め
1 人類の自然史
2 ベルツの日本人研究
3 モースの日本石器時代研究
4 コロボックル論争
5 日本石器時代人=アイヌ説
6 先住民論から原日本人説へ
7 混血か進化か

第二章 日本人の地域差
1 身長と体重
2 頭示数
3 遺伝と環境
4 頭蓋計測
5 琉球人とアイヌ
6 指紋と手掌紋
7 耳垢・耳たぶ・まぶたの形
8 レヴィンの研究

第三章 “人種”の由来
1 人類の起源
2 原人のひろがり
3 適応と人種形質
4 人種分化
5 人種の分類と分布
6 モンゴロイドとアイヌ
7 アイヌの起源

第四章 日本人の時代変化
1 百年前の日本人
2 中世・近代の日本人
3 古代の日本人

第五章 先史日本列島人
1 縄文時代人
2 縄文人の系譜
3 弥生時代人
4 渡来の影響
5 日本の化石人類

エピローグ――日本人の生成

引用文献
参考文献


著訳者略歴

山口敏
やまぐち・びん

1931年、千乗県に生まれる。1953年、東京大学理学部人類学科卒業。札幌医科大学助教授、国立科学博物館人類研究部長を経て、現在、同博物館名誉研究員。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


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日本人の生いたち

「日本人の生いたち」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/256頁
定価 3,080円(本体2,800円)
ISBN 4-622-03964-8 C1045
1999年6月25日発行

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