「みすず書房」ページ内リンク

  1. 「メインメニュー」へ移動
  2. 「みすず書房の本の検索メニュー」へ移動
  3. 「本文」へ移動
  4. 「サイト利用ガイド」へ移動



逆転移 1

分裂病精神療法論集

COUNTERTRANSFERENCE AND RELATED SUBJECTS


サールズは本著の論文を通して、分裂病の精神療法過程を入念に描きあげている。とりわけ「逆転移」という表題が示すように、治療者が患者を治療する場面で生じてくる治療者自身の心理的葛藤とその変遷とに、焦点が当てられている。
精神療法中に覚える患者の言動に対する戸惑い、怒り、軽蔑、あるいは慰め、喜び、感謝など、治療者自身の悠情を包み隠すことなく姐上に載せ、この感情に素直に自覚的であるという可能な限りの勇気と誠実こそ、患者にとっても治療者にとっても欠くべからざる治療要因となることをサールズは強調する。そうした30数年にわたる自らの実践を通して、彼が見出したのは、精神科医自身、患者の治療に当たりながら己れをも治療している、すなわち患者に「癒されている」のではないか、という「治療的共生」の観念であった。
全3巻の第1巻にあたる本書は、そのような深い精神療法の中で、治療者=分析家、および治療チームメンバーに生起してくる心理的葛藤を主要に扱った論文を収める。分裂病の精神療法のパイオニアであるサリヴァン、フロム=ライヒマンの流れを継いで、それをいっそう推し進めたサールズのこの論集は、精神分析および精神医学に新しい光を投げかけるであろう。


目次



1 精神分析家の罪責感
2 精神療法・精神分析領域における「献身的医師」について
3 治療チーム・メンバー間の妄想様過程――治療者の環境体験
4 患者の治療者的側面――分析家を治療する者としての患者
5 妄想的転移状況での患者と分析家――分析家を現実的に知覚する患者の機能
6 逆転移とその理論的モデル
7 患者‐治療者関係における成熟した希望の発達
8 分析家の「関与しながらの観察」、その患者の転移から受ける影響について

訳者あとがき


著訳者略歴

ハロルド・F・サールズ
Harold F. Searles

1918年生。アメリカ東部ニューヨーク州北部のキャッツキル山地で育った。1943年ハーヴァード大学医学部卒業。1944-51年、ニューヨークホスピタルで一般研修を受けた。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
松本雅彦
まつもと・まさひこ

1937年に生れる。1964年京都大学医学部卒業。現在、京都光華女子大学勤務。専攻、精神医学。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「逆転移 1」の画像:

逆転移 1

「逆転移 1」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/248頁
定価 5,724円(本体5,300円)
ISBN 4-622-04085-9 C3047
1991年9月27日発行

この本を購入する