古典物理学を創った人々【新装版】
ガリレオからマクスウェルまで

判型 | A5判 |
---|---|
頁数 | 424頁 |
定価 | 8,360円 (本体:7,600円) |
ISBN | 978-4-622-09835-5 |
Cコード | C1042 |
発行予定日 | 2025年12月10日予定 |

判型 | A5判 |
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頁数 | 424頁 |
定価 | 8,360円 (本体:7,600円) |
ISBN | 978-4-622-09835-5 |
Cコード | C1042 |
発行予定日 | 2025年12月10日予定 |
著者エミリオ・セグレ(1905-1989)は、イタリア出身の原子核・素粒子物理学者。1928年ローマ大学で学位を取り、ローマ大学助教授、バレルモ大学教授を経て、1938年に渡米後はカリフォルニア大学にあった。1934年ころにはフェルミとともに中性子反応の先駆的研究を行ない、渡米後には原子核・素粒子論物理学にすぐれた業績をあげた。数々の超ウラン元素の発見、反陽子の発見などは特に著名である。後者に関し、1959年チェンバレンとともにノーベル物理学賞を受けている。この間、1943-46年にはロス・アラモスで原爆製造計画に参画した。
著書には、自らの師であり、友人でもあったフェルミの全生涯を克明に描いた『エンリコ・フェルミ伝』がある。また20世紀物理学の革命を、自らが際会した多くの物理学者とさまぎまな出来事を通して《印象派風に》描いた前者『X線からクォークまで』は大きな反響を呼んだ。
その姉妹篇ともいうペき本書は、時代をさかのぼり、古典物理学の形成の歩みを辿った年代記であり《物理学者列伝》である。落下法則を確立したガリレオ、ニュートンから、電磁気学を建設したファラデー、マクスウェル、電磁波を発見したヘルツを経て、統計力学を開拓したボルツマン、ギブズまで、近代物理学の父祖たちの姿がここにあざやかに甦る。
[初版1992年6月11日発行]
まえがき
風変わりな序幕
第1章 創立の父:ガリレオとホイヘンス
ピサ:下ごしらえの時代
パドヴァ:天空の驚異
フィレンツェ:栄光と没落
ホイヘンス:転換期の人物
第2章 魔の山:ニュートン
複雑、不可思議な人柄
ケンブリッジ大学生に下った天啓
ルーカス教授:光の分解
『プリンキピア』と宇宙の構造
創造の全盛期を過ぎて
見捨てられた科学:造幣局監事時代と陰の一面
第3章 光とは何か
ニュートンの後継者たち:数学と自然界
数学者たち
物理学者たち
光は波である:万能の才人、トマス・ヤング
フランスの科学教育事業
フレネルの仕上げ
スペクトルからの便り:フラウンホーファー、ブンゼン、キルヒホッフ
第4章 電気:雷からモーター、電波に至る道
難しかった静電気と磁気の征服
蛙の手助け:ガルヴァーニ、ヴォルタと「人類発明史上最大の驚異」
電磁気学:電流と磁針——エルステッドとアンペール
生気あふれる容貌と強力な想像力:ファラデー——製本職人から実験の第一人者、科学の王者に
物理学における不謬の人:マクスウェル
現代物理学へのかけ橋:H・A・ローレンツ
第5章 熱をめぐって:物質説と振動、運動説
化学と物理学の中間にあるもの:気体の性質
愛国心と工学技術と天賦の才:カルノー、そしてその伝道者ウィリアム・トムソン
揺るぎなき砦、熱力学:エネルギーの保存——マイヤー、ジュール、ヘルムホルツ
熱力学の完成:ルドルフ・クラウジウス
第6章 分子運動論:物質構造の解明の始まり
不運な先駆者
再びクラウジウスと マクスウェル
ルードヴィヒ・ボルツマン
統計と確率の物理学への登場
実在気体、その自然界でのありさま
ファン・デル・ワールスの霊妙な方程式
ヤンキー物理学者ギブズ
おわりに
付録1 ニュートンの数学的諸原理(第II章):求心力の決定
付録2 ニュートンの数学的諸原理(第III章):離心円錐曲線状の物体の運動
付録3 ケプラーの法則——今日の標準的な導出法
付録4 熱交換についてのキルヒホッフの法則
付録5 「電気学のニュートン」の議論
付録6 電荷に対する静電単位と電磁単位の比の測定、および光の速度
付録7 マクスウェル方程式から出てくる平面波
付録8 氷の融点に対する圧力の影響
付録9 絶対温度目盛りと気体温度計
付録10 マクスウェルが語る「分子の速度のマクスウェル分布」
付録11 ボルツマンの墓碑銘
付録12 ボルツマンのH定理の要点
付録13 エネルギー等配則から持ち上がった難点
付録14 驚異のファン・デル・ワールス方程式とクラウジウスのビリアル定理
参考文献
訳注
訳者あとがき
人名索引
事項索引