ピルトダウン
化石人類偽造事件
PILTDOWN

判型 | A5判 |
---|---|
定価 | 7,920円 (本体:7,200円) |
ISBN | 978-4-622-04104-7 |
Cコード | C1045 |
発行日 | 1996年4月9日 |
備考 | 現在品切 |

PILTDOWN
判型 | A5判 |
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定価 | 7,920円 (本体:7,200円) |
ISBN | 978-4-622-04104-7 |
Cコード | C1045 |
発行日 | 1996年4月9日 |
備考 | 現在品切 |
1912年、ロンドンの南およそ60キロ、サセックス州ののどかな田園地帯にあるピルトダウンの地で化石頭骨の破片が出土したことが報告された。ネアンデルタール人やジャワ原人に比べて大きな脳をもつこのピルトダウン人は、現代人の直系の祖先とされ、学界に一大センセーションを巻き起こした。しかし、時がたつにつれ、人類進化史におけるピルトダウン人の位置が疑問視されるようになり、問題の化石の再検討が行なわれた結果、1953年に至って、実はこれが純正の化石ではなく、新人の頭蓋骨とオランウータンの下顎骨に加工と着色を加えた偽造化石であったことが判明した。
人類の偽りの祖先を捏造したのはいったい誰だったのか。偽造犯については、これまでさまざまな推理がなされてきた。名ざしされた多数の容疑者の中には、シャーロック・ホームズの生みの親であるコナン・ドイルや、イエズス会の著名な古生物学者テイヤール・ド・シャルダン神父も含まれている。
厖大な原資料と綿密な調査にもとづいて今世紀科学界最大のスキャンダルを取り上げた本書は、事件の顛末を詳細に描いた科学史物語であり、思いもよらぬ犯人の正体をあばく迫真の推理ドキュメントである。
はしがき H・W・ボール
序文 フィリップ・V・トバイアス
緒言
登場人物
1 第三紀人類の探索——ピルトダウンへのプロローグ
論争のあらまし / アイタムの曙石器 / 100フィート段丘上の人骨 / アイタム同好会 / 東アングリアからの巻き返し
2 ピルトダウン——発見と発表
発端 / 復元 / 解釈 / 漏洩 / 初公開 / 情勢
3 骨と石とエゴ(I)——ピルトダウン論争、1913年
もう一つの復元 / ウッドワードの雪辱 / 『ネイチャー』誌上での論争 / サウス・ケンジントンの見解 / 真の問題点
4 骨と石とエゴ(II)——ピルトダウン論争、1914-1917年
石をめぐる論争 / 長引く膠着状態 / 二元論者との戦い / チェックメートへの動き
5 処刑台への道——ピルトダウン論争、1918-1950年
転向する者、疑う者、そして信じる者 / 海外での手がかり / スウォンズカムによる新展開
6 詐欺師製暗黒人類
オークリーの悩み / ワイナーの仮説 / 下顎骨と犬歯の追放 / 偽造の全貌 / ミッシング・リンク
7 黒のナイトと札付きジャック
ピットと振子 / バタフィールドとドイル / ソラスとスミス / アボットとヒントン / ウッドヘッド / テイヤール・ド・シャルダン
8 疑問の余地なく?
ランガムの事件摘要書 / 動機の問題 / ふたたび発端へ / その後の経緯
原注
訳者あとがき
引用文献
人名索引
事項索引