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技術倫理 1

ETHICS IN ENGINEERING PRACTICE AND RESEARCH


1990年代後半から多発する重大事件。エンジニアの倫理を問う声は高まる一方だ。かたや経済のグローバル化にともない、国際的に通用するエンジニアの養成は工学教育の焦眉の課題となっている。技術系学協会の倫理綱領策定や、日本技術者教育認定機構(JABEE)の発足などさまざまな取り組みが進んでいるが、技術者倫理の体系的入門書はこれまで日本にはなかった。

科学技術倫理の研究・教育では第一人者のウィットベック博士は、大学での講義をもとに、この質の高いテキスト『技術倫理 Ethics in Engineering Practice and Research』をまとめた。本書の特色は次のように整理される。

■抽象的な議論をできるだけ排除し、実践の現場で現実の問題に意志決定を下す当事者の視点を貫いていること
■豊富なケーススタディをバランスよく配置していること
■倫理問題と設計問題のアナロジーという、独創的な見解を教育の手法として展開していること
■著者の主宰する厖大な情報を蓄積したウェブサイト「オンライン科学技術倫理センター」http://www.onlineethics.org/との緊密な連携

日々の業務のなかで問題状況への対処を迫られるエンジニアと、そして科学者、教育者にとって、文字どおり必携の書といえるだろう。


目次


序章 倫理問題を考えるために
1 価値と価値判断
2 道徳的権利と道徳規則
3 道徳的性格と責任
4 プライヴァシー、秘密、知的財産、法

第1章 設計としての倫理
設計問題/設計とのアナロジー/設計問題から得られる四つの道徳的教訓/倫理問題は動的である/問題とは行為者が経験するもの/倫理的判断とその検討/まとめと結論――優れた点をさらに伸ばそう

第2章 プロフェッショナルとしての責任の基盤と範囲
プロフェッションとその行動規範/倫理規範はプロフェッションによって異なる/倫理的行動の基準における責任、義務、道徳規則/咎められるべき間違いとは?/プロフェッションの自律性と倫理綱領/被雇用者としての立場はプロフェッショナルとしての行動を妨げるか/まとめ

第3章 プロフェッショナルとしてのエンジニアの主要な責任
プロフェッショナルの行動規範は変化する/安全責任をめぐるエンジニアのコンセンサス形成/知識、予見、安全責任/ホテルの連絡通路崩落事故とDC-10型旅客機墜落事故/危険とリスク/エンジニアリング上予見すべきことの範囲と限界/エンジニアの予見を影響力行使の機会に結びつける/まとめ

第4章 プロフェッショナルの行動の二つのモデル
1 ロジャー・ボジョレー(ボイジョリー)とチャレンジャー号爆発
安全問題に対するボジョレーの姿勢から道徳的教訓を学ぶ/事故の背景と1985年1月の飛行後の調査/低温仮説はなるべく伏せてくれ/シール浸食の証拠が続々と現われ、事態は足踏み状態に/自社イメージを気にする会社/上層部の指示をほとんど得られないままに/飛行直前の一昼夜/事故を防ぐ/エンジニアと大衆文化の記憶に残るチャレンジャー号の惨事
2 「59階建てビルの危機」とウィリアム・ルメジャー
ルメジャーによる核心的なシティコープ・タワーの設計/溶接からボルトへの変更を発見/斜め方向から吹く風の影響/風洞実験による危険の証拠/支援を集める/パニックなしの修理達成/最後の仕上げ――ルメジャーの名声
3 結論――ボジョレーとルメジャーの比較

訳者あとがき
索引

〔以下第2巻目次〕
第1章 職場における権利と責任
第6章 研究上の誠実さに対する責任
第7章 実験対象に対する研究者の責任
第8章 環境に対する責任
第9章 研究と出版における功績の正当な評価
第10章 エンジニアリングにおける功績評価と知的財産
エピローグ 科学技術の世界に生きる


著訳者略歴

キャロライン・ウィットベック
Caroline Whitbeck

ウェルズリー・カレッジで数学を学び、ボストン大学で哲学の修士号を、マサチューセッツ工科大学(MIT)で同じく哲学の博士号を取得。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
札野順
ふだの・じゅん

1956年生。国際基督教大学教養学部理学科卒業。同大学大学院教育学研究科修士課程(理科教育)修了。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
飯野弘之
いいの・ひろし

1933年生。東京大学工学部応用化学科卒業。同大学大学院化学系研究科修士課程修了。帝人(株)入社。マサチューセッツ工科大学に留学、博士課程(化学工学)修了。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

編集者よりひとこと

スペースシャトル引退(2011年7月「アトランティス」号の最終飛行をもってスペースシャトル計画終了)を機に、あいつぐ新聞の解説記事などでは、シャトルの歴史がたどられるなかで必ずシャトルの事故の歴史にもふれられます。
忘れることのできない1986年1月のスペースシャトル「チャレンジャー」号爆発。 ...続きを読む »

この本の関連書


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技術倫理 1

「技術倫理 1」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/224頁
定価 3,024円(本体2,800円)
ISBN 4-622-04119-7 C3050
2000年12月1日発行

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