みすず書房

デザイン論/伝統と創造/プリミティフ芸術

コレクション瀧口修造 10

判型 A5変型
定価 5,830円 (本体:5,300円)
ISBN 978-4-622-04400-0
Cコード C1370
発行日 1991年5月31日
備考 現在品切
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デザイン論/伝統と創造/プリミティフ芸術

瀧口修造の目が赴く先は近代芸術にだけ限られていたわけではない。それは、自らが生きる現代社会に産み出される製品群、近代以前の日本の作物、そして遠く先史時代の人類遺産にまで及んでいた。
I《美と機能》では戦後日本に到来した複製技術・量産文化の渦中で、すぐれたデザインを選び抜き創り出す道を追究する。イラストレーション、パッケージ、ショーウインドーなど商品と美の関係をいち早く説き、万国博や美術館の構想に具体的に携わっている。
II《伝統と創造》で、光琳、北斎らの現代性を見つけ、いけばなや書が奥に秘めている国際的な感覚を説く姿勢は印象深い。
III《プリミティフ芸術》の洞窟絵画・アフリカ彫刻は、ピカソやシュルレアリストに刺戟を与え、前衛美術の源泉の一つとなった。
その他にも折にふれての書評を併収し、いつも現在進行形で造形をとらえようとしたこの批評家の幅広い軌跡をここに留める。
月報 辻茂・真鍋博・横山正