オーランドー
ヴァージニア・ウルフ コレクション
ある伝記
ORLANDO

判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 296頁 |
定価 | 3,080円 (本体:2,800円) |
ISBN | 978-4-622-04508-3 |
Cコード | C0397 |
発行日 | 2000年6月20日 |
備考 | 現在品切 |

ORLANDO
判型 | 四六判 |
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頁数 | 296頁 |
定価 | 3,080円 (本体:2,800円) |
ISBN | 978-4-622-04508-3 |
Cコード | C0397 |
発行日 | 2000年6月20日 |
備考 | 現在品切 |
ヴァージニア・ウルフの6番目の長篇『オーランドー ある伝記』はきわめて特異な作品である。なにしろ主人公のオーランドーが、16世紀のイギリスに16歳の美少年として登場し、その後300年あまり生きつづけ、作品の終わりの1928年にあってもまだ36歳の若さであるばかりか、17世紀にはあろうことか「男」から「女」へと性転換しているのだ。この破天荒な粗筋から見ても、この「伝記」がいわゆる人の一生を扱った伝記と類を異にしていることが分かるだろう。
この作品がヴィタ・サックヴィル=ウェストに献げられているように、これはまず彼女への「史上もっとも長い、魅力的なラブレター」である。そして、主人公のズボンがスカートに変わるときに生ずるジェンダーの問題を取り上げれば、これはフェミニズムの作品であろう。さらにまた、いわゆる「伝記」のコンヴェンションを解体してゆく作法を見れば、これは「メタバイオグラフィ」ということになる。多様な読み方を誘発する点で、これは『ダロウェイ夫人』や『波』と並ぶ、ユニークな傑作と言えよう。