みすず書房

英国ルネサンスの女たち

シェイクスピア時代における逸脱と挑戦

判型 四六判
頁数 392頁
定価 4,180円 (本体:3,800円)
ISBN 978-4-622-04514-4
Cコード C3098
発行日 1999年12月3日
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英国ルネサンスの女たち

16世紀中頃から約一世紀にわたる英国ルネサンスは、強力な父権制社会であった。女性は結婚前は父親、結婚後は夫に「従順」に従う義務があり、当時の女性に求められた美徳は、「貞節・寡黙・従順」であった。しかし、これらの規範に対して女性たちはさまざまな手段によって反旗を翻した。ある場合は男装し、ある時は「じゃじゃ馬」となって反撃、時には「魔女」や「娼婦」となり、はたまた女ながらペンをとって社会の矛盾を衝いた。

本書は、シェイクスピア時代の多くの劇作や史料にスポットを当てながら、当時の〈婦徳〉として掲げられた価値観から「逸脱」したり、社会に「挑戦」したりして、自己を主張した女性たちの諸相を明らかにした労作である。英国女性史、ひいては日本女性史への刺戟的な寄与。

目次

はじめに
序章
1 男装する女たち
2 喋りすぎた女たち——「じゃじゃ馬」の系譜
3 「魔女」と呼ばれた女たち
4 「娼婦」と呼ばれた女たち
5 ピューリタンの女たち
6 筆をもつ女たち——シェイクスピアの姉妹たち
おわりに