「みすず書房」ページ内リンク

  1. 「メインメニュー」へ移動
  2. 「みすず書房の本の検索メニュー」へ移動
  3. 「本文」へ移動
  4. 「サイト利用ガイド」へ移動



現代小説38の謎<品切>

『ユリシーズ』から『ロリータ』まで

WHERE WAS REBECCA SHOT?


本書は、小説好きの読書人のあいだで好評を博した、既刊の二冊『ヒースクリフは殺人犯か?』『ジュイン・エアは幸せになれるか?』につづく、待望の第三弾である(ちなみに原題は、『レベッカはどこを撃たれたのか?』である)。前二作はヴィクトリア朝の代表的な小説を扱っていたが、今回は趣向を変え、ヘンリー・ジェイムズ『鳩の翼』やヴァージニア・ウルフ『燈台へ』から始まって、チャンドラー、クリスティ、グリーン、フォーサイス、ピンチョン、グリシャム、ウェルシュ、オンダーチェ、カズオ・イシグロといった、現代の生きのよい作家=小説を対象にしている。ジャンルも、モダニズム小説の古典から推理小説・エンターテインメント・純文学・超前衛的な作品まで、幅広くカヴァーしている。この一冊でもって、現代を代表する硬軟の諸作品の核心(謎)を味わうことができるという仕組みである。

「サザーランド教授がもっとも得意とする作品内の〈時代標識〉の錯誤、あるいは〈時代錯誤(アナクロニズム)〉が頻繁に話題になるのはもちろんのこと、ここでもまた、たとえば自殺の方法、堕胎の効果、爆発物の取り扱い、窒息による自己性愛の技など、じつにさまぎまな〈下世話な〉話題が引き合いに出される。同時に、今回とくに目につくのが、映画ないし映画化された文学作品への言及が多いことである……本書は、まさに、サザーランド流〈現代小説不思議発見〉とでも言うべき楽しい読み物だ。これら一連の小説読本が、単なる学者の手遊びの域を越えて、イギリスの読者に広く迎えられているのも、おそらくこれが最大の原因であろう」(訳者あとがき)。


目次


まえがき――パズルの愉しみ
1 ライオネル・クロイの「口にも出せぬ」罪とは何か?
   ――ヘンリー・ジェイムズ『鳩の翼』
2 「恐ろしや! 恐ろしや!」
   ――ジョーゼフ・コンラッド『闇の奥』
3 電話殺人
   ――エドガー・ウォレス『四人の義人』
4 教授が渡す「物」は何か?
   ――ジョーゼフ・コンラッド『密偵』
5 戦争? どの戦争?
   ――D・H・ロレンス『恋する女たち』
6 モリーのピアノを動かしたのは誰か?
   ――ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ』
7 ラムジー氏の三巻本
   ――ヴァージニア・ウルフ『燈台へ』
8 包皮紛失(?)事件
   ――ドロシー・セイヤーズ『死体は誰だ?』
9 オウエン・テイラーを殺したのは誰か?
   ――レイモンド・チャンドラー『大いなる眠り』
10 レベッカはどこを撃たれたのか?
   ――ダフネ・デュ・モーリア『レベッカ』
11 ゴッドファーザーたち
   ――グレアム・グリーン『ブライトン・ロック』
12 ラッキー・ジムのもっと幸せな結末
   ――キングズリー・エイミス『ラッキー・ジム』
13 ピギーの集光(?)眼鏡
   ――ウィリアム・ゴールディング『蠅の王』
14 老人は忘れる
   ――アーネスト・ヘミングウェイ『老人と海』
15 ハンバートの最初の犯罪
   ――ウラジーミル・ナボコフ『ロリータ』
16 ギルバート・ピンフォールドの試練とはいつのことか?
   ――イヴリン・ウォー『ギルバート・ピンフォールドの試練』
17 四つ目の時計仕掛けのオレンジ
   ――アントニー・バージェス『時計仕掛けのオレンジ』
18 ジェームズ・バラードの自動恋愛
   ――ジェイムズ・バラード『クラッシュ』
19 ポワロは二度死ぬ
   ――アガサ・クリスティ『カーテン』
20 ヒッチコックお墨付き
   ――マルカム・ブラッドベリー『歴史屋』
21 六時の定時ニュースそのまま
   ――フレデリック・フォーイス『オデッサ・ファイル』
22 ランボー・ナイフの数奇な運命
   ――デイヴィッド・マレル『ランボー』
23 はたして彼らはそこにいたのか?
   ――トマス・ピンチョン『重力の虹』
24 どこの海か?
   ――アイリス・マードック『海よ、海』
25 サイバースペースを発明したのは誰か?
   ――ウィリアム・ギブソン『ニューロマンサー』
26 スタインバーグ効果
   ――トム・ウルフ『虚栄の篝火』
27 パトリック・ベイトマンはなぜネクタイを二本締めているのか?
   ――ブレット・イーストン・エリス『アメリカン・サイコ』
28 1868年にいったい何が起こったのか?
   ――A・S・バイアット『抱擁』
29 親を知る子
   ――サルマン・ラシュディ『真夜中の子供たち』
30 これでうまくいくのか?
   ――マイケル・クライトン『ライジング・サン』
31 法律事務所のコンピュータはどこにある?
   ――ジョン・グリシャム『法律事務所』
32 いったいレントンはいつキルケゴールを読むのか?
   ――アーヴィン・ウェルシュ『トレインスポッティング』
33 なぜP・D・ジェイムズの殺人犯はゆっくり待つのか?
   ――P・D・ジェイムズ『原罪』
34 カギ――絶対的最後の締めくくり(九文字の単語)
   ――コリン・デクスター『死はわが隣人』
35 アルマーシ伯の不思議な戦争
   ――マイケル・オンダーチェ『イギリス人の患者』
36 なぜスティーヴンズはスエズ危機を聞いたことがないのか?
――カズオ・イシグロ『日の名残り』
37 ビラウドは何歳なのか?
  ――トニ・モリソン『ビラヴド』
38 ジャネットの母はゲイか?
  ――ジャネット・ウィンターソン『オレンジだけが果物ではない』

作者(あるいは専門家)からの回答
原注
訳者あとがき


著訳者略歴

ジョン・サザーランド
John Sutherland

ロンドン大学ユニヴァーシティ・カレッジ、ロード・ノースクリフ記念講座教授。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
川口喬一
かわぐち・きょういち

目白大学人文学部教授。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「現代小説38の謎」の画像:

現代小説38の謎

「現代小説38の謎」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/344頁
定価 3,672円(本体3,400円)
ISBN 4-622-04602-4 C0098
1999年9月1日発行
<ただいま品切です>