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てのひらの肖像画<品切>

PORTRAITS IN MINIATURE


「伝記はボズウェルの『ジョンソン博士伝』くらい長いか、オーブリーの『名士小伝』くらい短いか、どちらかがいい。『ジョンソン博士伝』のように、伝記的事実を厖大かつ精密に積み重ねるという方法ももちろんすばらしいが、それができない場合は、中途半端はやめてほしい。純粋なエッセンスだけあればいい……」

本書は、イギリスの卓越した伝記作家ストレイチーが死の前年に刊行した白鳥の歌であり、〈風変わりな錬金術さながらに、ほんのわずかな伝記的断片を黄金の命に変えてしまう〉ポルトレ(簡明な人物論)の、またとない傑作である。

憂鬱症で放蕩無頼の人生を送りながらも伝記文学の金字塔を完成させたボズウェル、それとは対照的に、節度ある理性と調和に満ちた人生を送って古典的な大著『ローマ帝国衰亡史』を刊行したギボン。

また、当時の大立て者たるヴォルテールとの喧嘩に勝ってアカデミー・フランセーズ会員を棒に振ったシャルル・ド・ブロス、さらに、ほとんど狂気に近い道徳癖によって自らの芸術的才能をぶちこわし才色兼備の妻をも道連れにしたカーライル、等々――

これら傑出した人びとの特異な人生の機微を語りながら、ストレイチーの筆は彼らの生きた社会と時代をも透視している。波瀾に満ちた個人の生涯は同時に時代を映す鏡である。すなわち、本書の18篇のちいさな伝記を通読すれば、4世紀にわたるイギリスそれにフランスの社会と時代を一瞬にして鳥瞰できる仕組みになっている。
バターと卵と塩と香草を寄せ集めてもオムレツにはならない。本書は、単なる事実の寄せ集めではなく、稀なる芸術的才能によって特上のオムレツに仕上げられた、興味津々たる第一級の伝記文学である。


目次


サー・ジョン・ハリントン
マグルトン
ジョン・オーブリー
ノース博士の生活と病気と死
コングリーヴ、コリア、マコーリー、そしてサマーズ氏
セヴィニェ夫人のいとこ
コルバッチ博士の悲しい物語
プレジダン・ド・ブロス
ジェイムズ・ボズウェル
モルレ神父
メアリー・ベリー
リーヴェン公爵夫人

六人の英国史家
ヒューム
ギボン
マコーリー
カーライル
フルード
クレイトン

訳注
訳者あとがき


著訳者略歴

リットン・ストレイチー
Lytton Strachey

イギリスの伝記作家・批評家。ヴァージニア・ウルフやE・M・フォースターらと共にブルームズベリー・グループの一員として、ヴィクトリア朝の文学・思想を批判し、現代的なスタイルを創り出した。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
中野康司
なかの・こうじ

1946年生まれ。青山学院大学英米文学科教授。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「てのひらの肖像画」の画像:

てのひらの肖像画

「てのひらの肖像画」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/248頁
定価 3,240円(本体3,000円)
ISBN 4-622-04637-7 C1098
1999年6月15日発行
<ただいま品切です>