ヒースクリフは殺人犯か?
19世紀小説の34の謎
IS HEATHCLIFF A MURDERER?

判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 360頁 |
定価 | 3,520円 (本体:3,200円) |
ISBN | 978-4-622-04651-6 |
Cコード | C0097 |
発行日 | 1998年4月10日 |
備考 | 現在品切 |

IS HEATHCLIFF A MURDERER?
判型 | 四六判 |
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頁数 | 360頁 |
定価 | 3,520円 (本体:3,200円) |
ISBN | 978-4-622-04651-6 |
Cコード | C0097 |
発行日 | 1998年4月10日 |
備考 | 現在品切 |
「本書は、19世紀のイギリス小説の中から代表的な36編の作品を選び、そのそれぞれについて、その作品に内蔵されている難問・奇問のたぐいを拾い集め、サザーランド一流の、読者の意表を衝く解答をあぶり出すことによって、小説を読む醍醐味、その名人芸を披露しようというものである……彼はごく自然に、小説を読むことが好きでたまらない素人読者の立場に身を置いて、はるか昔にナイツによって追放されたパーラー・ゲームに自由に参加し、36篇の19世紀小説の中を気ままに、滑らかに動き回る。素人読者であるからどこでも自由にはいりこみ、勝手な憶測、下司の勘ぐりも許してもらえる。なんという羨ましい〈読みの快楽〉であろうか」(訳者あとがき)。
はたしてアレックはレイプ犯なのか? なぜドラキュラはイギリスへやって来るのか? 月経が文学作品の中に写し取られた例はあるのか? ハイド氏はどんな顔をしていたのか? 等々——ニュー・クリティシズムやイーグルトンやサイードの批評方法とは違って、本書に溢れているのは素朴にしてスリリングな〈解釈=推理〉である。文学探偵サザーランド教授は34の難事件を、ヴィクトリア朝小説への深い造詣と豊かな想像力によってみごとに解明してゆく。研究者はもとより、小説を身近なものとして丹念に読み込む一般の読書人にとっても、本書は、久しく味わえなかった、小説を読むことの〈本来の楽しみ〉を提供してくれるまたとない一冊であろう。