ブルームズベリーふたたび 電子書籍あり
判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 192頁 |
定価 | 2,640円 (本体:2,400円) |
ISBN | 978-4-622-04667-7 |
Cコード | C1095 |
発行日 | 1998年10月15日 |
電子書籍配信開始日 | 2013年4月1日 |
備考 | 現在品切 |
判型 | 四六判 |
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頁数 | 192頁 |
定価 | 2,640円 (本体:2,400円) |
ISBN | 978-4-622-04667-7 |
Cコード | C1095 |
発行日 | 1998年10月15日 |
電子書籍配信開始日 | 2013年4月1日 |
備考 | 現在品切 |
「人生のやりなおしがあり得ないぶん、自分のなかに出来上がっている枠組みは不動で、内なるレンズはすでに透明度を失っている。どれほど対象が新しかろうと、自分に備わった尺度で風景を切り取り、意味を与えがちである。…日常のなかにいるかぎり、それが繰り返される。日常の外に出るとき、わずかではあっても、自分の認識が揺さぶりをかけられる瞬間がある。立ち止まってレンズの曇りを払い、歪みの理由を探ろうとする。空間の旅が時間の旅へと転化し、外側の風景が内なる風景を照らすに至るのは、そのようなときである。カンヴァスを前に非日常の風景が必要なのは、自分の内側をより効果的に映し出すためではないだろうか」
(夕映えの旅景)
休暇を待ち切れぬようにしてトルコとクレタ島へ出かけ、ネパール旅行に加わり、ふた夏をイギリスのケンブリッジで過ごす。旅行の影の同行者はブルームズベリー・グループの人々、わけてもE・M・フォースター、ケインズ夫妻、ヴァネッサ・ベル…しかし旅とはついに自分自身との対話である。
カトマンズであれクノッソスであれチャールストンであれ、旅先での出会いや出来事はおのずと自身の過去につながり、ときに思いがけない記憶が蘇る。この過去と重なる現在のなかで、著者は他ではあり得なかった自分を再確認する。まずは軽快に、そしてときに辛辣ときにユーモアを交えて、三つの旅はその意味を深めつつ転調してゆく。旅に重ね合わせて、軽妙にしかし力強く語られた個人史…本書はまぎれもなく第一級の文学的紀行=エッセーである。
トルコ・クレタ島紀行
ネパール一週間
ブルームズベリーふたたび
夕映えの旅景――あとがきにかえて