古典主義からロマン主義へ
18世紀英国の文学的風土
FROM CLASSIC TO ROMANTIC

判型 | A5判 |
---|---|
定価 | 3,960円 (本体:3,600円) |
ISBN | 978-4-622-04692-9 |
Cコード | C1098 |
発行日 | 1993年7月5日 |
備考 | 現在品切 |

FROM CLASSIC TO ROMANTIC
判型 | A5判 |
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定価 | 3,960円 (本体:3,600円) |
ISBN | 978-4-622-04692-9 |
Cコード | C1098 |
発行日 | 1993年7月5日 |
備考 | 現在品切 |
アリストテレス以来、「普遍」と「典型」を、連綿として美の目標としてきた芸術の歴史は、古典主義と新古典主義の時代を境にして大きく変わる。より個人的な主観と心理学的ともいえる性向を盛り込んだロマン主義の作品が、歴史の表舞台に立ち現れてくる。そしてこの概念は、現在の我々の概念でもある。
18世紀ヨーロッパ、なかんずくイギリスにおいて、このような根本からの転換がどのようにして起こって来たのだろうか。
ベイトは、この問題に正面から取り組み、その該博な知識とダイナミックな構想力を駆使して、文芸作品と批評の森に分け入り、美の判断の基準となるもの〈=テイスト〉と理性が、どのような変容を遂げたのかを読み解いて行く。
この篤実でスリリングな作業のなかで、シェイクスピア、ジョンソン、レイノルズ、ファズリット、コールリッジ、ワーズワース等、様々なジャンルの作品が引用され、ニュートン、ロックほか、カント、ゲーテ、ルソー等、大陸の思想とも照合されて、転換期イギリスの時代と個人がみごとに描き出される。
「本書の後にも文学理論の歴史はさまざまに書かれてきた。また個別の作家の研究はますます詳細を極めたものになりつつある。しかしイギリス文学史の重要な転換期の思想的基盤を明らかにし、その移り変わりのさまを一つの流れとして描き出した本書は、文学を学ぶものにとって古典的な価値を持っている」(訳者あとがき)。