ダンテとヨーロッパ中世
EPILEGOMENA ZU DANTE UND ANDERE AUFSATZE

判型 | A5変型 |
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定価 | 5,280円 (本体:4,800円) |
ISBN | 978-4-622-04698-1 |
Cコード | C1098 |
発行日 | 1995年4月11日 |
備考 | 現在品切 |

EPILEGOMENA ZU DANTE UND ANDERE AUFSATZE
判型 | A5変型 |
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定価 | 5,280円 (本体:4,800円) |
ISBN | 978-4-622-04698-1 |
Cコード | C1098 |
発行日 | 1995年4月11日 |
備考 | 現在品切 |
「ダンテからはイタリア詩の結果を引き出せないという洞察は、裏返したときにはじめて歴史的に有益となる。ダンテの詩はイタリア詩に由来せず、イタリア詩の結果でもなく、イタリア詩からは説明がつかない……言葉を換えていうなら、プロヴァンスに根ざし、ドイツとフランスの土壌に繁殖して、これらの原産地で絶頂を形づくることを得たヨーロッパ中世のポエジーは、最後に、その死の直前に至って、ようやくイタリアの大地に姿を現わし完了する。それゆえダンテは、己れの由来する諸条件に遡って属すこととなり、後の世に対しては双肩を開いて立ち塞がる。この巨大な絶望的な障壁は、『天堂篇』の終りの詩句とペトラルカの最初の数篇のソネットとの間に存在している」(「ダンテ」)。
本書は、ダンテと中世に関して独得の見解を展開している五篇の評論を集成したものである。ホーフマンスタールと親交を結び、生涯の大半をトスカーナで送ったボルヒャルトは20余年をかけて『神曲』を翻訳し、その軌跡の中から新たな〈ダンテ像〉を明らかにした。これら五篇の評論はこの詩人=翻訳家の言語への情熱を語るとともに、ヨーロッパ中世の文化—言語史・精神史への画期的な寄与をなしている。