みすず書房

「江戸俳諧、と聞いて過去のものと思うのはやめよう。江戸俳諧は今日という時代を泳ぐのに、他に換えがたい同伴者となってくれるだろう。江戸俳諧という滑稽と繊細のシャワーを思いきり浴びてみたい」(飯島耕一「自序」)。

江戸の俳諧といえぱ、芭蕉に蕪村に一茶。こうした定番はもういい加減にしよう。江戸文芸の百花繚乱がこの三人にとどまるわけがない。
本書は、今日を代表する詩人と俳人が自らの眼識によって選んだ「江戸俳諧の華」を大人の一般読者に送りとどけるものである。
まず「にし」(飯島)からは、西鶴に上田秋成、太田南畝、平賀源内、朋誠堂喜三二などの意外な魅力をお伝えする。加藤による「ひがし」は深い造詣を存分に発揮して、其角や成美など、一癖ある俳人たちの真髄をじっくりと明らかにしてくれる。「風流の第一義に徹して諧謔を愛し……草庵あるいは市井に隠れた俳人たち」(加藤)への最高のオマージュ。

目次

 江戸俳諧にしひがし その一
自序
詩的行為としての評釈——安東次男と芭蕉
漫筆・江戸俳諧
俳諧師 西鶴
安永・天明期の文人たちと俳諧
無腸あれこれ
芭蕉の吐いた語、「頽廃空虚」——〈その一〉のあとがきに代えて

 江戸俳諧にしひがし その二
隣人其角
わが友、江戸俳諧——〈その二〉跋