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外山滋比古著作集 6

短詩型の文学


ひとむかし前のことになるが、桑原武夫の書いた「俳句第二芸術論」なる論文が一大猛威をふるったことがある。これは種本があって、彼はイギリスの学者I・A・リチャーズの『実践批評』のテクストを下敷きにしていたのだが、そんなことは俳人たちの知らぬことであった。彼らはその単純な近代的な論理にむきになって反抗したが、どうも景気のいい堂々たる反論はできなかったようである。

本巻のテーマは、この事件を契機にして、著者によって構想・追求された〈反=俳句第二芸術論〉である。俳句を成立させている肝心要の、切れ字や季語、添削と結社など、世界に類を見ない、その日本独自の特性を明らかにし、西欧の近代的リアリズムに優る方法として俳句的表現を称揚する。芭蕉・子規から現代俳句までを渉猟し、読者の立場から俳句の特性を追究してゆく姿勢はまことにスリリングである。俳句を中心に、ひろく日本語の表現・論理を考察した刺激的な論攷。


目次


I 省略の文学
切れ字/省略の文学――切れ字論/俳句における近代と反近代/季について/俳句と点描主義/添削の思想/F氏とのひと時/矛盾について/俳句とイロニイ
II 俳句的
通俗の論/封建的/名実を忌む/枯れ/冷え/目と耳/なまけもの/耳の形式/編集/声と顔/点と丸/視点/よむ?/点と点/音楽と絵画の間/けずる/放つ/季語の地理/季寄せ/季語のテンス/季語は“引用”/切れ/切れ字断章/調べ/写生/新しい声/人脈/杉風論の文体/俳句的レトリック/俳句の文法
III 短詩型文学
翻訳文化と詩の言葉/詩の真実/きょうめい/小さな「私」/作者の顔/詩人・批評家/野外/終わり/大雪/近代散文/ふくみ/あそび/俳句と省略/現代の俳句/点描モンタージュ/清水に魚棲


著訳者略歴

外山滋比古
とやま・しげひこ

1923年愛知県に生まれる。1947年東京文理科大学英文科卒業。同大学特別研究生修了。1951年「英語青年」編集長。ついで「英語文学世界」「月刊ことば」を創刊、編集。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

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短詩型の文学

「短詩型の文学」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/360頁
定価 3,960円(本体3,600円)
ISBN 4-622-04856-6 C1395
2003年1月6日発行

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