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人間に未来はあるか【新装版】

「生命操作」の時代への警告

THE BIOLOGICAL TIMEBOMB


〈この訳書が二十数年前に発行された時は、多くの方々に読まれ、大きな波紋を投じたが、一種の未来科学物語として忘れられ、絶版になっていた。しかし今、生物学は生命科学として、DNA(生命情報)の解読と操作、生殖技術の急進展などにより、“生命操作”という未知の暗黒の世界に私たちを突き入れてしまった。

ルイーズちゃんの誕生(1978)以来試験管ベビーは日常のこととなり、クローン動物も羊以外にも多く誕生しつつある。この本は、このような生命操作、ひいては脳(心)の操作の時代のくることを、年代的に予言しており、翻訳しながらも、ぞくぞく寒気のしたことを思い出す。遺伝子診断、遺伝子治療、クローン人間、動物の頭のすげかえなどが、現実的話題になっているときに、長い間手に入らなかった本書が、多くの人々に改めて読まれることになったことは、訳者として大いに喜ばしい〉(渡辺格)

本書は、生物学的時限爆弾がもたらすであろう効果と、その爆発の時期について、身の毛のよだつようなショッキングな物語を繰り広げる。人工移植、人工臓器の技術の進歩がもたらす人間冷凍の開発、それにともなう人類の数多くの病気からの解放と寿命の延長、遺伝子工学によって作られる優秀家畜のような人間のエリート族、さらに脳生理学と新しい薬物の進歩による、人間の感情の操作と知能の改善…

このような予見可能な具体例をあげながら、著者はかかる事態に対する人間の英知、新たなる法や倫理の重要性を説く。まさに今日求められるべき必読書であろう。


[1969年12月20日初版発行]


目次


序文
1 生物学者は、われわれをどこへ連れていくか?
生物学上の前線突破/生物学的コントロール/手遅れになる前に
2 性は必要か?
人工授卵/卵と精子の保存/試験管ベビー/赤ん坊製造工場/性の選択/ホルモンの意味/授精制御/結論
3 改造人間
移植の可能性/供給源/法にかなっているか/水晶球の中に予見されるものは/半人工人間/自分は誰だ
4 死は免れえないものか
永遠の若さ/定められた寿命/人間の冷凍保存/社会への影響/死に待ったをかける/命を救う真の友/切り離された頭/不死?
5 古い脳に新しい心を
ムード・コントロール(気分操作)/記憶の通路/万人に知能を?/痛みをコントロールさせる/心のコントロール
6 遺伝技師たち
DNA物語/遺伝の改変/遺伝外科/新しい優生学/家族計画/欠陥を除く/遺伝子戦争の亡霊
7 生命をつくりだせるか?
ウィルスをつくる/化学物質から生命へ/細胞をつくる/いつ頃までに?/その成り行き8 未来――もしそれがあるとしたら
進歩の表/特殊ないろいろの結果/社会的結合/呪われた科学者/プロメテウスの立場/生物学革命によるスラム化/幸福の条件
訳者あとがき


著訳者略歴

ゴードン・R・テイラー
Gordon Rattray Taylor

1911年イギリスに生まれる。ケンブリッジ大学で生物学を学ぴ、ジャーナリズムの世界に入る。第二次大戦中、BBCで働き、また連合国派遣軍最高司令部(SHAEF)の心理戦争班に勤務した。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
渡辺格
わたなべ・いたる

1916年松江市に生まれる。1940年東京帝国大学理学部化学科卒業。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
大川節夫
おおかわ・せつお

1933年大阪市に生まれる。1959年大阪大学理学部物理化学修士課程修了。1960年朝日新聞社入社、1993年同社退社。訳書 テイラー『地球に未来はあるか』(1971、1998、みすず書房)。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「人間に未来はあるか【新装版】」の画像:

人間に未来はあるか【新装版】

「人間に未来はあるか【新装版】」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/272頁
定価 2,700円(本体2,500円)
ISBN 4-622-04935-X C0045
1998年3月20日発行

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