偶景【新装版】
INCIDENTS

判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 192頁 |
定価 | 3,080円 (本体:2,800円) |
ISBN | 978-4-622-04994-4 |
Cコード | C1098 |
発行日 | 2001年6月5日 |
備考 | 現在品切 |

INCIDENTS
判型 | 四六判 |
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頁数 | 192頁 |
定価 | 3,080円 (本体:2,800円) |
ISBN | 978-4-622-04994-4 |
Cコード | C1098 |
発行日 | 2001年6月5日 |
備考 | 現在品切 |
「偶景(アンシダン)——偶発的な小さな出来事、日常の些事、事故よりもはるかに重大ではないが、しかしおそらく事故よりももっと不安な出来事、人生の絨毯の上に木の葉のように舞い落ちてくるもの、日々の織物にもたらされるあの軽いしわ……表記のゼロ度、ミニ=テクスト、短い書きつけ、俳句、寸描、意味の戯れ、木の葉のように落ちてくるあらゆるもの。」(ロラン・バルト)
本書は4篇のテクストから成っている。母と共生した故郷バイヨンヌの風光と思い出を語った「南西部の光」、パラス座の自由な空間を称えたエッセー。「偶景」は、1968-69年にかけてのモロッコでの見聞を記録した断章である。モロッコは、スタンダールのイタリア、ジッドのアルジェリアと同様、バルトの欲望が漂流する狂気の場であった。そして「パリの夜」、これは『失われた時を求めて』の同性愛者シャルリュスがさまよい歩くソドムの都市の住人にかんする日記=ロマネスクである。
これらのテクストは、晩年のバルトが志向した《ロマネスク》(小説的なもの)の実践であり、断片である。本書は、意味の免除を目指した記号の冒険家の未完の到達点を示すとともに、「小説家バルト」の存在をも明らかにしている。
編者覚え書
南西部の光
偶景
パラス座にて、今夜……
パリの夜
原註・訳註
小説家バルト?——解題に代えて(花輪光)
訳者あとがき