みすず書房

崇高と美の観念の起原

みすずライブラリー 第2期

A PHILOSOPHICAL INQUIRY INTO THE ORIGIN OF OUR IDEAS OF THE SUBLIME AND BEAUTIFUL

判型 四六判
頁数 226頁
定価 3,080円 (本体:2,800円)
ISBN 978-4-622-05041-4
Cコード C1310
発行日 1999年6月10日
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崇高と美の観念の起原

『フランス革命の省察』を著わしたイギリスの政治家、バークの実質的な処女作であり、唯一の美学論考である。1757年刊行当時ロンドンの文壇において、刺激的な問題提起ゆえ好評を博した。
美は均斉調和に基づく、とした古典主義美学の客観的な審美基準を論駁し、感覚主義の立場から日常経験についての心理的観察によって美学上の観念を分類整理する。苦と恐怖に関わり自己維持を目的とする利己的情念と、人間を社交へ導く社会的情念があり、前者を崇高に属するものと考え、愛の感情を生み出す美の原因となる後者と対比した。カントなど近世美学への影響、崇高という美学的カテゴリーを唱導する現代の思想を考察するうえで重要な著作である。

目次

崇高と美についての我々の観念の起原の哲学的研究

訳注
訳者解説

書評情報

松坂健
ハヤカワ・ミステリ・マガジン2010年8月号