みすず書房

世紀末を迎えて欧米列強のアジア進出は急迫し、中国分割は現実の日程にのぼった。明治33年には義和団事件が起こる。「日本」社説においては、一方で国民の発展・膨張を是とし、欧米列強にたいする国家間の勢力均衡をはかる視点から論じる。また一方で政党に対して自由・平等・国際的平和の理想の保持を訴える。この矛盾と混乱を抱えながら歴史の現実と向きあった議論は、その後の政治の流れを暗示していた。

[1971年7月初版発行]