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近代文化史 3【オンデマンド版】

ヨーロッパ精神の危機/黒死病から第一次世界大戦まで

KULTURGESCHICHTE DER NEUZEIT

Die Krisis der europaischen Seele von der schwarzen Pest bis zum Ersten Weltkrieg


「三部作の第三部にたどりついた。“第一夜”は、近代人間の〈誕生〉を描写した。第二夜は、この歴史上の珍しい変種の〈花盛り〉のさまを描いた。そして、最後の夜の物語は、近代の〈死〉を語ることになる……“世界史”という名の芝居を演じつづける主役たちは、ごく私的な存在に変わる。サラリーマンとなり、路上で声をかけあう知人になる。」(フリーデル)

フリーデルの厖大な『近代文化史』もこの三巻目をもってその幕を閉じることになる。近代のたそがれを描く本書は、ウィーン会議からスタートして第一次世界大戦に至る歴史をたどり、ロマン主義と自由主義、帝国主義と印象主義の相克する諸相をめぐって展開される。ヘーゲルとニーチェの哲学、ビスマルクの英知、ラファエロ前派の運動、アメリカ独立戦争と日清・日露戦争、ビザンチン人の生き残りドストエフスキーの深淵、詩人アンデルセンの幻視など。フリーデルの眼差しは市井の寄席から国際舞台に至る壮大なパースペクティヴをもって、近代科学の発展と精神の地獄落ちのプロセスを鮮やかに照らし出す。

「過去五世紀半のヨーロッパの歴史を解釈しようとする、すばらしい試みであることは疑いの余地がない。フリーデルの知識は広大、思考は深遠で、それがたどる道筋はまったく新しい。」(ニューヨーク・タイムズ)

[1988年4月25日初版発行]


目次


第四部 ロマン主義と自由主義 ウィーン会議から普仏戦争まで
第1章 空虚(むなしさ)の深さ
地獄の中心/非現実的な現実/文学の真実、歴史の真実、ジャーナリズムの真実/妖怪の流れ/「批判的」歴史記述/歴史は虚構される/歴史の地位を高めること/ロマン主義とは何か/「有機的」なもの/病めるガチョウ/会議/タレーラン/新しい地図/神聖同盟/内向きの戦線/ナポレオン神話/古きドイツ人の魂/南アメリカとギリシアの解放/伝染性オーストリア病/「現代の理念」/ロマン主義のメフィスト/ロマン主義の学問/「詩をつくる民族精神」/類推という名の魔法の杖/ロマン主義文学の誕生/グリルパルツァーとライムント/クライスト/色彩論と比較感覚生理学/電気と化学の諸発見/同種療法/ロッシーニ、ウェーバー、シューベルト/ビーダーマイヤー/ナザレ派の画家たち/ジェリコー、サン=シモン、スタンダール/時代の主人公を演じた男/バイロン主義/時代の自意識/弁証法/ヘーゲルの歴史哲学/ヘーゲル自身によるヘーゲルの無効宣言

第2章 不吉な歌
ガス燈の世の中/機関車ナンバー・ワン/高速印刷機/石版画/ドーミエ/新しい神/バルザック/七月王政/ベルギー、オランダ、ハンバハ/玉座についたロマン主義者/マンチェスター/社会問題/フリードリヒ・リスト/思想家としての英雄/見霊者/唯一の貴人/カーライルの信仰/ダーフィト・フリードリヒ・シュトラウス/カトリック神学/キルケゴールとシュティルナー/ルートヴィヒ・フォイアーバハ/海王星、現実主義、立体鏡、電型法/エネルギーの法則/鳥糞石、水圧治療、モールス電鍵、ダゲレオタイプ写真法/ランケ/フランスのロマン主義/ユゴー、デュマ、スクリーブ、シュー/ドラクロア/政治音楽/メンデルスゾーンとシューマン/若いドイツ/「時代精神」/グツコー/ラウベとハイネ/政治的絵画/ゲオルク・ビューヒナー/ネストロイ/アンデルセン/青い鳥

第3章 見せかけだけの商売
リフレイン(繰り返し)/二月革命/国有作業場/三月/事態急変/オルミュッツ/ナポレオン三世/ラ・シヴィリザシォン(文明)/クリミア戦争/解放皇帝/ロシア人の魂/スラヴびいきと西欧主義者/オブローモフ/ソルフェリノ/一千人/ジャンル・カナーユ(やくざ気取り)/オッフェンバック/グノー/風俗劇/コント主義/スペンサーとバックル/ダーウィン/反ダーウィン/ダーウィン主義の使徒パウロ/不可知論/スペクトル分析/生命の誕生/細胞病理学と精神物理学/環境論/フロベール/反モラル作家/ルナン/サント=ブーヴ/高踏派の詩人たち/ラスキン/ラファエロ前派の画家たち/耽美主義者/ホイットマンとソロー/エマーソン/唯物論/マルクス主義/階級闘争/ラッサール/モムゼン/詩人ゼミナール/マルリット/ドイツ文学の収支決算/ヘッベルとオットー・ルートヴィヒ/反詩人/フォイアーバハとマレー/二人の哲学者/ショーペンハウアーの性格/ショペンハウアーの哲学/古典的ロマン主義者/ビスマルクとフリードリヒ大王/最後の英雄/南北戦争/フアレスとマクシミリアン/シュレスヴィヒ=ホルシュタイン/一八六六年/クストッツァの戦い/クリスマニチとモルトケ/ケーニヒグレーツ/ヴィス島/ニコラスブルクの和約/ハンガリーとの調停/局地的世界大戦/スペインの爆弾/ア・ベルラン!

第五部 帝国主義と印象主義 独仏戦争から世界大戦まで
第1章 不吉な金曜日
現実を作るのはだれか?/ビスマルクの時代/フランスの進撃開始/ドイツ側の作戦行動/中立国/講和/コミューン/社会主義者鎮圧法/文化闘争/ベルリン会議/戦争見ゆ/二国同盟、三国同盟、再保障条約/ドイツ帝国の精神/デューリング/無様式の様式/ドライフラワーの束/「ドイツ・ルネサンス」/エッフェル塔/衣服/マイニンゲン劇団/「総合芸術作品」/最高の演劇/ワーグナの浮沈/『こうもり』/文学/ヴィルヘルム・ブッシュ/電話、白熱燈、自転車/立体化学/火星の運河/前印象主義者たち/印象主義とは何か?/「労働者」/いろどられた反キリスト/ゴンクール兄弟/ゾラ/トルストイとドストエフスキー/最後のビザンチン人/悪の正当化/覆いを?ぎとる人/芸術家の憎悪

第2章 地獄落ち
切れ目/頽廃としての権力への意志/ヘーゲルとハルスケ/新しいテンポ/電磁的光理論/放射能/原子の崩壊/フェビアン協会員と講壇社会主義者/高等学校改革/ヴィルヘルム皇帝/ビスマルクの罷免/ケープタウンからカイロまで/北アメリカ/東アジア/ロシアと日本の戦争/ビスマルク以後の世界政策/三国協商/併合の危機/プラグマティズム/マッハ/ベルクソン/ヴント/「教育家としてのレンブラント」/「性と性格」/ストリンドベリ/爆雷/さすらい人/ニーチェの心理学/ニーチェのキリスト教/最後の教父/印象主義の第二段階/トゥーレに生まれた歌い手/最後の古典主義者/市民劇の絶頂/小ドラマトゥルギー/イプセンの宇宙/ノルウェーの復讐/イプセンの芸術形式/近代の遺言/文学革命/自由舞台/自然主義/ハウプトマン/ズーダーマン/フォンターネ/ヴェーデキント/モーパッサン/分離派(ユーゲントシュティール)/ベックリーン/シュニッツラーとアルテンベルク/ヴェリスモ(イタリアの自然主義)/ドリアン・グレイ/ショーの皮肉/アモール・ヴァクイ(虚しい愛)/象徴派/四次元の演劇/テレパシーのドラマ/間隙/外交とは何か?/バルカン戦争/サライェヴォ/暗雲

結び 現実の崩壊
新しい潜伏期/分子となった宇宙/宇宙となった分子/時間とは位置の機能なり/質量はエネルギーなり/同時性は存在しない/宇宙空間への突進/水男の台頭/歴史の没落/論理の没落/ダダ/ドラマの破局/芸術の自殺/シュールレアリスム/バベルの塔を建てる/二つのヒドラ/五通りの可能性/メタ心理学/反道徳の奴隷反乱/冥界からのオルフェウス/精神分析のドグマ/抑圧されたものそれ自体/別の側からの光

年表
訳者による後書き
人名索引


著訳者略歴

エーゴン・フリーデル
Egon Friedell

1878年ウィーンに生れ、1938年ウィーンに死す(ヒトラー・ドイツによるオーストリア併合時に自殺)。ハイデルベルクとウィーンの大学で哲学とドイツ文学を学ぶ。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
宮下啓三
みやした・けいぞう

1936年東京に生れる。1965年慶應義塾大学文学部大学院博士課程修了。慶應義塾大学名誉教授。文学博士。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


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近代文化史 3【オンデマンド版】

「近代文化史 3【オンデマンド版】」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/484頁
定価 10,260円(本体9,500円)
ISBN 978-4-622-06229-5 C1020
2011年5月19日発行