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大戦間期の日本陸軍【オンデマンド版】

著者
黒沢文貴

本書で問われているテーマは、(1)一般的に変革を好まない陸軍が、いかなる理由で〈革新〉を経て昭和ファシズム期の陸軍に変質したのか、(2)なぜ陸軍が1930年代の政治の主役となり、太平洋戦争を起こす力をもちえたのか、(3)大正デモクラシーから昭和ファシズムヘの転換を、どういう歴史的事象として理解するか、と集約できよう。
著者は、史上初の〈総力戦〉第一次大戦の衝撃は開国の再来ともいえる、と位置づける。そして、大正デモクラシー思潮の高まりに対し、軍が示した意外に柔軟かつ合理的な姿勢を明らかにする。さらに、自由経済・下からの国民統合・ワシントン体制などを柱とする「1925年体制」が、統制経済・上からの国民統合・軍部の合法的間接支配・大東亜共栄圏などを特徴とする「1940年体制」への移行過程の分析がなされる。
史料精査と思想史的考察により、日本政治外交史研究に寄与するところの大きい論集。

[2000年2月25日初版発行]


目次


序章
一 課題と視角
二 本書の構成
三 史料について

I 第一次世界大戦の衝撃と日本陸軍
第一章 日本陸軍の第一次大戦研究
はじめに
一 調査委員の成立と組織
二 調査委員の活動
  1 資料の収集  2 陸軍内外への活動
三 調査委員と田中軍政
おわりに

第二章 日本陸軍の総力戦構想
はじめに
一 経済力の育成
  1 三つの課題   2 生産力の拡充  3 自給自足と自由貿易
二 政軍関係
三 挙国一致と自発性の喚起
おわりに

第三章 日本陸軍の「大正デモクラシー」認識
はじめに
一 状況としての「大正デモクラシー」認識
  1 一般社会をめぐる「大正デモクラシー」  2 軍をめぐる「大正デモクラシー」  3 第一次世界大戦の教訓
二 思想としての「大正デモクラシー」認識
三 制度としての「大正デモクラシー」認識
おわりに

第四章 日本陸軍の教育制度改革論
はじめに
一 将校養成制度の変遷
二 1920年の教育制度改革
  1 制度改革の内容  2 教育制度調査委員会の議論
三 陸軍幼年学校の廃止
  1 大阪および名古屋陸軍幼年学校の廃止  2 仙台陸軍幼年学校の廃止  3 熊本および広島陸軍幼年学校の廃止
おわりに

第五章 日本陸軍のアメリカ認識
はじめに
一 アメリカ研究の動機
二 国民軍事教育と国民性
おわりに

第六章 日本陸軍の軍近代化論
はじめに
一 精神強調論
二 装備・精神論
おわりに

II 「満州事変への道」と日本陸軍
第七章 田中外交と日本陸軍
はじめに
一 総力戦の衝撃と「大正デモクラシー期」の陸軍
二 「1925年体制」と田中外交
三 田中・宇垣と陸軍中堅層
おわりに

第八章 満蒙侵略と国家改造
はじめに
一 統帥権干犯問題と陸軍「革新」派
二 三月事件――「内先外後」主義から「外先内後」主義へ
三 石原構想と関東軍
四 満蒙武力解決と軍制改革
おわりに

III 「太平洋戦争への道」と日本陸軍
第九章 両大戦間期の体制変動と日本陸軍
はじめに
一 日本陸軍の総力戦構想と「1925年体制」の成立
二 「1925年体制」の動揺
三 「1925年体制」の崩壊
四 「1940年体制」の構築
おわりに――「1925年体制」から「1940年体制」へ

第十章 「1940年体制」と総力戦研究所
はじめに
一 総力戦研究所の設立にいたる経緯
  1 陸軍内の動向  2 1930年代日本政治の動向  3 第二次近衞内閣と総力戦研究所の設立
二 総力戦研究所設立の理由
おわりに――総力戦研究所と総力戦論

あとがき


著訳者略歴

黒沢文貴
くろさわ・ふみたか

1953年東京に生れる。1984年上智大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(法学・慶應義塾大学)。宮内庁書陵部編修課主任研究官を経て、現在、東京女子大学現代文化学部教授。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


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大戦間期の日本陸軍【オンデマンド版】

「大戦間期の日本陸軍【オンデマンド版】」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/456頁
定価 10,260円(本体9,500円)
ISBN 978-4-622-06234-9 C3031
2011年5月19日発行