なぜ戦争は終わらないか
ユーゴ問題で民族・紛争・国際政治を考える

判型 | 四六判 |
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頁数 | 264頁 |
定価 | 2,750円 (本体:2,500円) |
ISBN | 978-4-622-07014-6 |
Cコード | C1031 |
発行日 | 2002年11月1日 |
備考 | 現在品切 |

判型 | 四六判 |
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頁数 | 264頁 |
定価 | 2,750円 (本体:2,500円) |
ISBN | 978-4-622-07014-6 |
Cコード | C1031 |
発行日 | 2002年11月1日 |
備考 | 現在品切 |
21世紀に入ったが、世界は平和になったとは言えない。近い将来に戦争が起きる危険が世界のあちこちにある。戦争や紛争を防ぐためには何をしなければならないかを追究するとき、ボスニアやコソボなど、旧ユーゴの問題は非常に示唆的である。
2001年9月11日の「同時多発テロ」やそれに続くアフガニスタン戦争、対イラク攻撃、パレスチナ問題などの中東・イスラム世界をめぐる紛争で、なぜアメリカがあのような一連の行動に出たのかを知る鍵もユーゴ紛争の中にある。
アメリカの軍事・外交政策が湾岸戦争から旧ユーゴ問題への対応を通じて形成されてきたことを知っていれば、今後の動向もある程度、説明できる。
ボスニアやコソボなどの紛争をくわしく見ることによって、現在の国際社会が抱える問題は何か、どうすれば解決できるかを考えて行こうと思う。
紛争解決における国際社会の失敗や歪みの後遺症はきわめて深刻である。いったいどのような後遺症が存在するのか。20世紀最後の10年間にスポットを当てることで、21世紀初頭の世界が抱える問題のルーツを明快に解き明かす。
最初の構想から3年かかった新刊『なぜ戦争は終わらないか』がようやくできあがりました。ホッとする間もなく、アメリカがイラクに対する軍事攻撃の準備を急いでいます。
イラク問題は本文中でも少しふれていますが、また戦争になるのでしょうか。文字どおり「なぜ戦争は終わらないか」、詳しく知りたい方に、ぜひ読んでいただきたい本です。
ベオグラードの独立系日刊紙
『ボルバ』(われわれの戦い)
もともとはボスニアやコソボなどのユーゴ紛争の分析を中心にした本ですが、そこを「入り口」に、地域紛争の仕組みやアメリカの軍事・外交政策などについて、分かりやすく書いたつもりです。
本書のキーワードは「地域紛争は自然発生的に起こるものではない」、さらに「紛争が激化しても、自動的に戦争になるのではない」ということです。近未来について予言したつもりはありませんが、これらのキーワードはイラク問題にも当てはまります。きっと参考になるはず、と自信をもっておすすめできます。
さて、イラク問題での11月の国連安保理決議は査察を改めて要求するもので、武力攻撃は容認してはいません。本書の著者として個人的には、アメリカが最終的にはやっぱり安保理決議を無視(または拡大解釈)するのかどうかを注目しています。武力攻撃の場合、ブッシュ大統領自身が国際刑事裁判所(ICC)に戦争犯罪容疑者として訴追される可能性もあります。(2002年11月 千田 善)