みすず書房

ガンディーの真理 1【新装版】

戦闘的非暴力の起原

GANDHI’S TRUTH

判型 四六判
頁数 352頁
定価 3,960円 (本体:3,600円)
ISBN 978-4-622-07021-4
Cコード C1031
発行日 2002年11月22日
備考 現在品切
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ガンディーの真理 1【新装版】

本書は、マハトマ・ガンディーの歴史的存在と、かれが「真理」(サティヤーグラハ)と呼んだものの意味についての、「西洋」の一精神分析学者の探究である。

エリク・エリクソンは、1962年、ライフ・サイクルに関するセミナーのためアーメダバードを訪れる。1918年にガンディーによって紡績工場ストライキが指導され、初めての断食がおこなわれた都市である。ストは成功のうちに収拾された。しかし、後年執筆された『自伝』や伝記において、この事件の記述はわずかであり、そこにはある種の困惑さえ含まれている。この着目から著者は、ガンディーの不安の底にあるものへ関心を凝縮し、真理把握への試行を明らかにしようと試みた。

第一巻では、『自伝』の全体と、当時の信奉者との親しい触れ合いから得られた証言に、臨床的観察を加えつつ、事件を再構成する(第一部)。さらに幼年期と青年期の徹底した解釈を通じて、父と息子、母と子、友人、セクシュアリティなどのアンビヴァレントな構造を分析し、のちの実存的実験の基礎を浮彫りにする(第二部)。

各世代を通ずる現代のアイデンティティ確証の要求にたいして深い示唆を与えずにはおかぬであろう。全2巻。