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クローン人間の倫理

著者
上村芳郎

1996年7月のクローン羊ドリーの誕生から6年、2002年末には、ついに「クローン人間誕生」というニュースが流れた。事の真偽はともかく、いまやわれわれは、人類初のクローン人間を受け入れるか否かの選択を迫られているといっても過言ではない。

体細胞核移植によるクローン技術の成功が意味するものは、きわめて大きい。それによって、生殖細胞(精子と卵子)以外の、体の一部の細胞や冷凍保存された細胞からでも、もとの個体と同じDNAをもつ新しい個体を再生することが可能になったからである。クローン人間の是非を問うことは、人間や生命の本質を問うことにひとしい。こうした問題を考えるためには、技術、宗教、医療、法律などさまざまな論点が拠って立つ原理をあきらかにし、そこから判断の理由を明確に示さなくてはならない。

気鋭の哲学者/倫理学者である著者はまず、「クローン人間」というイメージが人びとに与える不安から説きおこし、遺伝子同一性と人格同一性を区別し、「人間の尊厳」の、歴史的、宗教的、哲学的に錯綜した意味を解きほぐす。そして、現代の生命倫理学(バイオエシックス)の二つの理論的支柱である、功利主義の原則と自己決定権の吟味をつうじて、クローン人間の賛成論と反対論が、ともにあわせもつ誤謬と危うさをあぶり出す。生命倫理の真価を問う問題作である。



著訳者略歴

上村芳郎
うえむら・よしろう

1956年、熊本県生まれ。1981年、東京外国語大学卒。1988年、東京大学大学院博士課程(哲学)満期退学。現在、東京理科大および千葉工大非常勤講師。専門は、ヘーゲルを中心としたドイツ哲学と倫理学。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

著者からひとこと

今年の二月、クローン羊ドリーが死んだ。進行性の肺炎が原因で安楽死の処置が取られたという。通常の羊としては早すぎる、六歳半での死である。 ...続きを読む »

書評情報

<2014年夏:「医学部AtoZ」(代々木ゼミナール)>

この本の関連書


「クローン人間の倫理」の画像:

クローン人間の倫理

「クローン人間の倫理」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/272頁
定価 3,024円(本体2,800円)
ISBN 4-622-07026-X C1010
2003年1月24日発行

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