デュラス、映画を語る
LA COULEUR DES MOTS

判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 248頁 |
定価 | 3,520円 (本体:3,200円) |
ISBN | 978-4-622-07063-4 |
Cコード | C1074 |
発行日 | 2003年10月24日 |
備考 | 現在品切 |

LA COULEUR DES MOTS
判型 | 四六判 |
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頁数 | 248頁 |
定価 | 3,520円 (本体:3,200円) |
ISBN | 978-4-622-07063-4 |
Cコード | C1074 |
発行日 | 2003年10月24日 |
備考 | 現在品切 |
〈野性的〉。この形容句からすぐにマルグリット・デュラスの映画を連想できるとしたら、あなたはかなり映画に毒されている、と診断せざるをえない。そんなあなたにも、そしてもちろん、この言葉に首を捻ってしまうあなたにはぜひ、デュラスという天才作家が自らの「映画渡世」を告白するこのインタビュー集の御一読をお奨めしたい。
誰もが知っているデュラスのあの知性と緑と黄で構成された未明の世界がフィルムを介して「会合」するとき、銀幕は未曾有の〈野性〉に容赦なく蹂躙される。デュラスの真髄はそんな「欲望の彼方」にある。だがあくまで文化的な産物にすぎない映画を〈野性〉によって「巨大な破壊の建設」となす、つまり「世界が破滅に向か」うためには、巧妙な技術と大胆な意志が不可欠だ。それらを持ちえるのは「女、ただ女だけ」と、デュラスは呟く。この「義憤」こそ現代映画にとって何より重要だという事実を、本書は明かしている。——青山真治(映画監督)
『愛人』で知られる20世紀最大のフランス人女性作家は、ゴダールが『映画史』でオマージュを捧げたように、極北の映画作品を遺した映像作家でもあった。本書で語られるのは『インディア・ソング』ほか主要8作品の創造過程。デュラスの家で、また撮影現場を歩きながら作家ノゲーズと交わされる会話に、ときおりジェラール・ドパルデュー、デルフィーヌ・セイリグ、ブリュノ・ニュイッテンなどゲストが加わるのも楽しい。図版112点。巻末にフィルモグラフィ。
文学の映画 ドミニク・ノゲーズ
対話 暴力の階級——『ナタリー・グランジェ』
〔ゲスト〕ジェラール・ドパルデュー
対話 言葉の色——『インディア・ソング』
〔ゲスト〕デルフィーヌ・セイリグ/マイケル・ロンズデイル/カルロス・ダレッシオ/ブリュノ・ニュイッテン
対話 イギリス人墓地——『ヴェニツィア時代の彼女の名前』
〔ゲスト〕ブリュノ・ニュイッテン/デルフィーヌ・セイリグ/マイケル・ロンズデイル
対話 イヴリーヌの貴婦人——『トラック』
〔ゲスト〕ジェラール・ドパルデュー/ドミニク・オーヴレ
対話 暗黒の洞窟——『セザレ』『陰画の手』『オーレリア・シュタイネル(メルボルン)』『オーレリア・シュタイネル(ヴァンクーヴァー)』
エピローグ 《Works ando Words》 マルグリット・デュラス
フィルモグラフィ 映画作品の記述
補足的フィルモグラフィ
訳者あとがき デュラス、言葉の場所 岡村民夫